高瀬川河川事務所50周年

高瀬川の概要

高瀬川

高瀬川(七戸川)は、青森県東南部の太平洋側に位置し、その水源を八甲田 山系の八幡岳(標高1,020m※)に発し、東流して七戸町で作田川、東北町(旧上北町)で坪川、赤川等の支川を合わせ小川原湖に至り、砂土路川、土場川、姉沼川等の支川を湖内に集め、湖の北部から太平洋に注ぐ、流域面積867km2、幹川流路延長64km の一級河川です。
その流域は、平成17 年10 月現在で2 市4 町1 村からなり、中下流部には青森県上十三地域の拠点である三沢市、十和田市等を擁し、この地域の社会・経済・文化の基盤をなしています。
一方、流域の下流部、河口から約6km~24kmには高瀬川水系を代表する小川原湖が位置しています。
小川原湖は、今から3千年前頃(縄文後期)からの全世界的な気候の低温化に伴う海面低下により、既に形成されていた内海が後退し、湾口が海岸砂丘の発達により狭められ、入り江の一部が分離され形成された海跡湖です。高瀬川を通じて太平洋と繋がる汽水性の湖沼であり、湖面積は約63km²で我が国11 番目(汽水湖の中では5番目)の面積規模を有し、平均水深は約11m、最大水深は約25mです。
また、小川原湖周辺には小川原湖湖沼群と称している姉沼、内沼、田面木沼、市柳沼等の小湖沼が点在しています。



小川原湖

小川原湖は、高瀬川を通じて太平洋とつながる汽水湖であり、 湖面積は63.2km²で全国で11番目(汽水湖の中では5番目)の面積を持ち、多様な生態系を育んでいます。 小川原湖の安定した汽水環境は、下流高瀬川を遡上する塩水と 上流河川から流入する淡水のバランスにより形成されています。



小川原湖の周辺環境

小川原湖の漁業

小川原湖は、しじみ、しらうお、わかさぎなどの内水面漁業が盛んで、安定した微汽水環境が豊富な水産資源となって地域の経済を支えています。青森県の内水面漁業漁獲量は、しらうおやわかさぎは全国第1位、しじみは全国第3位。全魚種合計でも2位の漁獲量です。
(R2「漁業・養殖業生産統計」(農林水産省)より)



豊かな自然環境

小川原湖は汽水・淡水の動植物が生息・生育する多様な生態系を有しています。小川原湖周辺の豊かな自然環境を保全するため、仏沼が「ラムサール条約登録湿地」、「国指定仏沼鳥獣保護区(希少鳥獣生息地)」に指定されている他、小川原湖沼群が「日本の重要湿地500」に、小川原湖畔の野鳥が「残したい“日本の音風景100選”」に選ばれています。
小川原湖や北方の市柳沼や田面木沼は、日本有数のカンムリカイツブリ繁殖地であり、仏沼は国内でも最大のオオセッカの繁殖地となっています。



観光レクリエーション

小川原湖では、湖水浴をはじめ、キャンプ、花火大会、カヌー、冬には、ワカサギ釣りなどと、1年を通して利用されています。



水利用の沿革

河川水の利用に関しては、幕末に新渡戸伝・十次郎父子が農業用水確保のため稲生川用水路を建設し、隣接する奥入瀬川から導水を行い、高瀬川流域の発展に寄与したとの記録が残されています。
戦後の食料増産時期には国営開墾事業が実施され、農業用水の需要が飛躍的に増大しました。その後も小川原湖周辺を中心とした開拓事業が実施され、また畑地から水田への転換などにより水需要は増加してきましたが、昭和40 年代からは横ばいとなっています。
高瀬川水系では、約6,600ha の耕地のかんがいに利用され、約350 件の施設により、最大約30m3/s の取水が行われています。かんがい用水以外の取水としては、姉沼における米軍の水道用水として昭和24 年より取水が開始されており、現在では七戸町への水道用水、米軍への工業用水が供給されています。
また、水系外である奥入瀬川から、かんがい用水の還元として、砂土路川(約4.0m3/s) と姉沼川(約0.6m3/s)を経由し、合計約4.6m3/s が流入しています。
高瀬川水系では、昭和43 年以前にかんがい用水取水路(谷地頭頭首工)の呑口から導水されなくなる取水障害が生じていますが、農作物への直接的な被害は生じておらず、その後も大きな渇水被害は生じていません。

高瀬川水系における水利権
高瀬川水系における目的別の水利権数・取水量の比率


流域構成市町村:7市町村 青森県

  • 三沢市※
  • 十和田市
  • 東北町※
  • おいらせ町
  • 六戸町
  • 七戸町
  • 六ケ所村※

※は国土交通省河川管理区間の沿川市町村

事務所リンク案内

■高瀬川河川事務所
 〒039-1165
 青森県八戸市石堂3丁目7-10
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