秋も深まりをみせる頃、仙台湾や追波湾の岸沿いに並ぶカキ筏(いかだ)では大きく成長したカキの収穫がはじまります。
地元の漁業者は昔から知っていました。川の近くで養殖したカキが特に肥っていて美味しいことを。
理由をたずねると、こう教えてくれました。
---『川の水が栄養を運んでくるからなんだ』
川や水辺にはたくさんの生き物が暮らしています。また、人間は昔から飲み水や農業・工業用水、発電、レクリエーションの場など様々な形で川を利用し、川と共に暮らしてきました。今こうしている間にも川は流れ、私たちの生活を支え続けています。


 しかし、海を生活の場とする漁業者たちは、長年の経験の中で川が持つもう1つの力、栄養を与えゆたかな海を支える川の力をごく自然に感じ取っていました。

 日本は、世界に誇るゆたかな海に囲まれた島国です。人々は昔から海に出て魚や貝をとり、その恵みを大切な食料としてきました。そのためか、日本人は他の国の人々に比べて魚を食べる量がとても多く、世界有数の魚好き民族として知られています。

日本の海と漁業
人間が1日に動物性の食べ物から取るエネルギーのうち、魚や貝の占める割合です。
日本人の生活が海の恵みによって支えられていることがわかります。
※植物性の食べ物・・・米、野菜、小麦など,動物性の食べ物・・・肉,魚,乳製品など

 ところが今、日本の海に異変が起こっています。
海の生き物の餌となってゆたかな海を支えているはずの“植物プランクトン”の仲間が、赤潮』や貝毒』など深刻な海の病気を引き起こし、他の生き物や人間に大きなダメージを与えているというのです。
海の生き物や、昔から魚中心の食生活を送ってきた日本人にとって、これは問題です。

植物プランクトン
海の病気
---川の力で、海を守ることはできないだろうか?
ゆたかな海を支える川の力に注目した「海の生態系を支える河川システム研究会」は、今までにない新しい研究をスタートさせました。海を守るための、川の研究です。
このホームページでは、研究の背景にある川と海とのかかわりや、研究会でわかってきたことなどをご紹介していきます。さあここからはみなさんも、私たちと一緒に研究を進めていきましょう。