川と海の勉強室4
海の病気

 植物プランクトンは、魚や貝などたくさんの海の生き物達の餌としてゆたかな海を支えています。
しかし、植物プランクトンの体をつくっている海の栄養分の量やバランスが悪くなると、一転して赤潮」や貝毒」ど呼ばれる海の病気を引き起こし、たくさんの魚や貝を殺したり、私たちの生活を脅かしたりして多くの被害をもたらします。
赤潮とは?
 水中にいる植物プランクトンが異常に増殖し、海水の色が大きく変わってしまう現象です。水の色は原因となる植物プランクトンの種類によって、濃い赤やピンク、茶褐色などさまざまです。

赤潮の原因は?
 赤潮の原因には、海の富栄養化(ふえいようか)や海水中に含まれる窒素リン珪素などのバランスの変化、雨による塩分の急激な低下など様々な説があります。生活排水や工業排水など主に人間活動の影響によって海水に含まれる窒素リンなどの栄養分が過剰になった海では(富栄養化)、気温が上がり、日が長くなる春から夏にかけて植物プランクトンの異常増殖がおこり、赤潮が発生することがあります。

赤潮の影響は?
 赤潮の影響は大きく2つに分けることができます。
・植物プランクトンそのものは無害な場合
 →異常に数を増やした植物プランクトンが死んだあと、微生物によって分解される時にたくさんの酸素が使われてしまい、生き物が生きられなくなる無酸素のエリア(無酸素水塊:むさんそすいかい)ができてしまうことです。
・植物プランクトンが毒を持ち有害な場合
 →毒のある植物プランクトンが赤潮をつくり、集団で魚や貝を襲って殺してしまうケースです。現在被害が報告されている有毒な植物プランクトンの多くが鞭毛藻の一種です。

貝毒とは?
 植物プランクトンを餌とするアサリやカキなどの二枚貝がある種の有毒な植物プランクトンを食べることで、貝自体の体の中にその毒素をためこんでしまい、結果的に毒をもつようになる現象です。有毒な植物プランクトンの増えることによって、その危険が高まります。日本で問題となっている貝毒は「麻痺(まひ)性貝毒」と「下痢(げり)性貝毒」に大きく分けることができ、その原因となる植物プランクトンのほとんどが鞭毛藻の一種です。
麻痺性貝毒の症状はフグの毒とよく似ていて、食べてすぐに筋肉が麻痺したり、頭痛やめまい、吐き気におそわれ、場合によっては呼吸ができなくなって死んでしまいます(国内での死亡例はありませんが、海外では死亡したケースも知られています)。お家で作る料理くらいの加熱では、毒性はなくならないため、とても危険です。下痢性貝毒はお腹が痛くなったり、吐き気や下痢におそわれる急性の胃腸炎をおこします。普通に食べる位の量で死に至ることはありませんが、やはりお家の料理くらいの加熱では、毒性はなくなりません。