最上川やその支流には旧石器時代や縄文時代に石器の材料として利用された珪質頁岩という岩石が多く採取することができます。特に、出羽丘陵を横断するように開削された最上峡を中心とした地域は、東北地方でも屈指の規模で珪質頁岩が存在しています。道具を作るための硬い素材として石が中心だった時代には、最上川の河原に落ちている珪質頁岩は大切な道具製作の素材でした。これらの石材は遠く関東地方の遺跡でも確認されることから東北地方から人々が交易によって運んだと推定されています。
「モガミ」の語源については諸説ありますがアイヌ語で「珍しい岩石のあるところ」と言う意味があるそうです。最上川の珪質頁岩分布状況から眺めるとこれは大変説得性のあるように思えます。縄文時代の人々が話をしていた言葉がアイヌ語で(証明はできないか状況証拠は多い)「モガミ」という珍しい石が採取できる川が最上川であったために現在までに音(読み)として踏襲されているのかもしれません。 |