最上川には古くから橋の代わりとしてたくさんの渡船場がありました。渡し舟は両岸の住民にとって大事な交通手段でしたが、車社会の現在では過去の物語となっています。最後まで残ったのは大石田町白鷺の渡船場で、平成13年(2001)に廃止されました。
昔の渡し舟は対岸へ渡るのに数百メートルも川上へ舟を回さなければならず、一回の渡しに大変な労働と時間を要しました。昭和に入ると、両岸に立てた杭を、滑車を付けたワイヤで結び、舟の船首を滑車で繋ぐ方法が導入され、船頭が流速に一定の角度を保つよう舟を棹や梶で操ることができるようになりました。以降、下流に流された舟を戻す手間がかからず、往復時間も短縮されました。
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