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最上川文化館 > 伝説
笛吹き沼(新庄市)
 新庄市の最上川に沿う畑村の近くに笛吹き沼という沼があります。昔、この沼のそばを侍が通りかかり、大きな岩に腰を下ろして笛を吹きました。すると、どこからか美しい娘が現れ、「私はこの沼の主です。笛の音をもう一度聞かせて下さい」と頼みました。曲が終わると、娘は「あなたから離れることはできません。私とここで暮して下さい」と言いました。困った侍は「来年の春には必ず戻るからそれまで待っていて下さい」と告げ、その場を立ち去りました。春になり、京都から戻ってきた侍が最上川を下っていると、本合海上流の「蛇喰見の淵」で船が止まってしまいました。船頭が侍に「あなたは沼の主に見込まれています。川に入ってみんなを助けて下さい」と言うので、侍は川に入り、川面のかすみの中を沼の方へ消えて行きました。それからというもの、月のよい晩には沼の底から美しい笛の音が聞こえるようになり、この沼を「笛吹き沼」と呼ぶようになりました。

参考:『山形の伝説』(山形とんと昔の会編/日本標準発行)
イメージ:笛吹き沼(新庄市)


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