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最上川文化館 > 俳句と短歌
古今和歌集
 和歌の中に「最上川」が最初に出てくるのは『古今和歌集』です。「最上川」は古くから多くの歌に詠まれていますが、歌枕として詠まれているものがほとんどで、最上川を見て詠んだものではないとされています。遠い出羽の地に思いを馳せながら、実に多くの人々に詠まれていた最上川。その風景の美しさは全国に伝わっていたことがうかがえます。また、「稲船」と詠まれていることより、昔から最上川が舟運で栄えたことも表しているようです。

「最上川上れば下る稲船の いなにはあらずこの月ばかり」(読み人知らず)

農民たちの一年の労働が終わろうとしている明るい生活を背景として、若い男女の恋の語らいがうたわれています。男の求婚に対して、いなにはあらず(いやではない)のだと、はっきり言い、この月ばかり(今月だけは待って欲しい)と答えているのです。収穫期の緊張感、「上れば下る」という動的な情景など、一首に若々しい生命を与えています。




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