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三春ダムの歩み

三春ダムは、福島県のほぼ中央部、阿武隈山地の西斜面に開けた三春町南部山麓地帯に位置し、貯水池沿岸長は周囲47kmに及びます。

阿武隈川の治水事業は、当初の計画が上流部(福島県側)については大正8年、下流部(宮城県側)については昭和11年から、直轄事業として改修工事が実施されてきましたが、その後、度重なる水害に見舞われ一次・二次と改修計画は変遷してきました。しかし沿岸地域の人口資産の増大はめざましく、地域の社会的・経済的発展に充分対処し得る河川改修計画を樹立する必要が高まったこと、またその後の出水をも考慮した洪水調節計画の再検討が必要となり、三春ダム、七ヶ宿ダム等を考慮した治水計画(阿武隈川工事実施基本計画)が昭和49年新たに決定されました。

一方、利水面については、福島県の中央部に位置し、また広大な安積平野を有する郡山地区が、南東北の開発拠点として常磐地区とあわせて、昭和39年3月に新産業都市郡山地区の指定を受けて以来、順調な発展を続けており、それにともなう水道用水・工業用水の需要が大幅に伸び、早急な都市用水の供給源確保が必要となってきました。

また、大滝根川沿岸および郡山東部地区に大規模な農業開発事業が計画され、事業の早期実施のため水資源の確保が急がれました。
このような情勢により、大滝根川流域はもちろんのこと、福島中部および北部の広い地域から多目的ダムの建設による治水利水両面からの総合開発計画の樹立が強く要望されました。

三春ダムの目的(治水・利水・環境)

福島工事事務所においてダム予備調査を開始(昭和43年12月12日)

不動滝

川岸の奥に不動尊をまつる小さな祠があるので、この名がつきました。
春は新緑、夏は魚釣りや水遊び、そして秋は林の中の栗拾い、紅葉にかこまれた岩場で芋煮会などを楽しむことができました。ここの岩場の岩石は、主に花崗閃緑岩で、いまから約2億年から6千万年前にできたものだといいます。

不動滝の甌穴

ダム建設のために、失われる大滝根川の自然を、一部でもいいから残しておきたいという願いから、甌穴のある巨大な岩石を掘り出し、モニュメントとすることになりました。
不動滝の岩石は、中妻中学校と中郷中学校を統合して新設した桜中学校の門石として設置されています。
また、多くの人達に親しまれてきた三階滝の岩石は、中郷学校(中郷小学校・公民館・中郷幼稚園)前の庭石になっています。

地質調査用地の測量開始(昭和49年4月3日)

現地説明会(昭和63年10月)

三春町西方の大滝根川に、三春ダムが建設されることになり、昭和43年から計画が始まり、昭和50年度に建設段階に入りました。
これは、郡山市を中心とする都市用水・農業用水等の確保、洪水・流水の調節を目的としています。
このダムによって水没したり道路になったりする場所を、文化財保護法の立場から、三春町と県教育委員会が調査を実施しました。
遺跡の発掘がほぼ終わり、その全容が解明された時点で、現地での説明会が行われました。
この日は、町内外からたくさんの人々が集まり、学芸員の説明を熱心に聞き入っていました。

ダム本体工事着工(昭和63年11月30日)

平成4年

ダム湖の周りに新しい道路や橋が整備され、
一般の人々も工事現場をみることができるようになりました。

平成5年

三春ダムは「地域に開かれたダム」の全国初の指定を受け、
地域のシンボルとして親しまれるダムづくりをしています。

平成8年

ダムが完成し、湛水が始まる前に「三春ダム湖底祭」が実施されました。
あいにくの雨の日でしたが、多数の人々が参加し、最後の湖底を歩きました。

春田大橋着工(平成元年11月10日)

さくら湖のシンボル「春田大橋」の形成は「斜張橋」といわれ、橋の長さ218m、幅9.75m、湖底からの高さは66.5mもあります。

試験湛水終了(平成9年12月25日)

すべてのダム工事が完成し、平成8年10月に試験湛水が始まりました。
ダム本体・放流設備・管理施設等、関連の施設が平成8年10月に完成したところで、さくら湖の試験湛水が始まりました。
その後、1年あまりをかけ、ダムの安全性・機能性を確認しながら、平成9年の晩秋、水位が標高333mの満水状態となりました。
昭和43年に始まった三春ダムの構想が、ここでようやく完成の日を迎えました。

試験放流

これからの、本格的なダムとしての運用を開始する前に、満水になった湖水を、上部の水門「クレスゲート」から試験放流を実施しました。
平成9年12月16日には水門の一部から、同8日には四門全てから放流です。
見学に訪れたたくさんの人々は、ごうごうと流れ落ちる水流に喚声をあげ、カメラのシャッターを押し続けました。
この年、12月25日には試験湛水が終わり、水位が下げられていきます。

三春ダム竣工(平成10年3月8日)

三春ダムの竣工式が行われました。

さくら湖自然環境フォーラムスタート(平成12年11月)

広く意見をいただくため、さくら湖の自然環境の変化や保全の方向性を示すフォーラム開催をスタートしました。

さくら湖自然環境フォーラム

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