水質調査項目の説明

 

 

                                                                   

1.生活環境項目

 生活環境項目とは、環境基本法によって「生活環境の保全に関する環境基準」に定められたもので、次の9項目です。

 

 1 水素イオン濃度(pH)

 2 生物化学的酸素要求量(BOD

 3 化学的酸索要求量(COD

 4 浮遊物質量(SS

 5 溶存酸素量(DO

 6 大腸菌群数

 7 総窒素(TN

 8 総リン(TP

 9 n−へキサン抽出物質

 

 

2.健康項

 健康項目とは、環境基本法によつて「人の健康の保謹に関する環境基準」に定められたものです。

 

 1 力ドミウム(Cd

 2 シアン(CN

 3 鉛(P b

 4 6価クロム(Cr(Vl)

 5 砒素(As

 6 総水銀(THg

 7 アルキル水銀(RHg

 8 ポリ塩化ビフェニル(PCB

 9 ジクロロメタン

 10 四塩化炭素

 11 1.2−ジクロロエタン

 12 1.1−ジクロロエチレン

 13 シス−12−ジクロロエチレン

 14 111−トリクロロエタン

 15 112−トリクロロエタン

 16 トリクロロエチレン

 17 テトラクロロエチレン

 18 13−ジクロロプロペン

 19 チウラム

 20 シマジン(CAT

 21 チオベンカルブ

 22 べンゼン

 23 セレン(Se

 24 ホウ素

 25 フッ素

 26 硝酸態窒素(NO3N

 27 亜硝酸態窒素(NO2N

 

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1.生活環境項目

 


 

1 水素イオン濃度(pH

 pHとは、水溶液中の水素イオン濃度[H+]の逆数の対数をとったものをいう。水の水素イオン濃度は、水中で生ずるあらゆる化学及び生化学的変化の制約因子となっており、また、分析におけるいろいろな化学反応の重要な制約因子でもある。通常河川では、6.08.5の間である。

 酸   性:pH7

 中   性:pH7

 アルカリ性:pH7

 水質調査の必要性としては、水中に酸やアルカリが混入すれば、水素イオン濃度が変化する。つまり、pH値に異常な変化が認められると水質に何か変化がある(工場排水の混入等)ことがわかる。又、夏期には植物プランクトンの光合成により昼間pHが上昇することがある。対象は、河川・湖沼・海域。

 

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2 生物化学的酸素要求量(BOD

 BODとは、水質汚濁を示す代表的な指標で、溶存酸素(DO)の存在する状態で、水中の微生物が増殖呼吸作用によって消費する酸素をいい、通常20℃、5日間で消費されたDOで表す。有機物量のおおよその目安として使われ、水の有機物汚染が進むほどその値は大きくなる。自然現象を利用した測定であり、自然浄化能力の推定や生物処理の可能性等に役立つ。しかし、化学工場排水や一部の合成有機化合物は測定対象に含まれない。魚類に対しては、渓流等の清水域に生息するイワナやヤマメなどは2mgL以下、サケ、アユなどは3mgL以下、比較的汚濁に強いコイ、フナなどでは5mgL以下が必要とされている。対象は、河川。基準値は、類型により異なり、110mgL以下と定められている。

   

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3 化学的酸素要求量(COD

  CODとは、水中の有機物などを酸化剤(過マンガン酸カリウム)で酸化するときに消費される酸化剤の量を酸素の量に換算したもの。CODは、水質汚濁を示す代表的な指標でBODとともに広く一般に用いられている。また、水質関係の各種法令で規制項目として採用されており、水質総量規制では指定項目とされている。CODは、有機物量のおおよその目安として使われ、水の有機物汚染が進むほどその値は大きくなる。BODに比べ短時間で結果がでるが、有機物のみでなく、第一鉄や亜硝酸塩などの無機物も酸化してしまう。BODとは一致した傾向を示さないこともある。対象は、湖沼、海域。基準値は、類型により異なり、湖沼では18mgL以下、海域では28mgLと定められている。

 

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4 浮遊物質量(SS

 浮遊物質とは、水中に懸濁している直径2mm以下の不溶解性の粒子状物質のことで、枯士鉱物に由来する微粒子や動植物プランクトン及びその死ガイ、下水・工場排水などに由来する有機物や金属の沈殿などが含まれる。浮遊物質は、一般的に清浄な河川水では粘士成分を主体に若干の有機物を含むものにより構成されることが多いが、汚染の進んだ河川水は、有機物の比率が高まる。SSの量は、水の濁り、透明度などの外観に大きな影響を与える。また、SSが生態系に与える影響には、魚類のえらを塞ぎ呼吸を妨げて窒息させる危険性や、太陽光線の透過を妨げ、藻類の同化作用を阻害させる等がある。対象は、河川と湖沼。基準値は、類型により異なり、河川では25100mgL及びごみ等の浮遊が認められないこと。湖沼では115mgL及びごみ等の浮遊が認められないことと定められている。

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5 溶存酸素量(DO

 DOとは、水中にとけ込んでいる酸素の量で、河川や海域での自浄作用や魚類等の水棲生物には不可欠なものである。水中における酸素の飽和量は気圧、水温、塩分等に影響されるが、水が清澄であればあるほどその温度における飽和量に近い量が含まれる。逆に汚水や塩化物イオンを含む水や水温の高い水ほどDOの値は小さい。通常河川のDOの値は、冬は高く、夏は低い。夏期においては、水中の植物プランクトンの光合成が活発になりDOが高くなることがある。なお、地下水中のDOは、酸素の供給状態が悪く、検出されないのが普通である。対象は、河川、湖沼、海域。基準値は、類型により異なり、27.5mgL以上と定められている。

 

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6 大腸菌群数

 大腸菌群とは、大腸菌及び大腸菌と極めてよく似た性質をもつ菌の総称で、細菌分類学上の大腸菌よりも広義の意味で、便宜上、グラム染色陰性、無芽胞性の桿菌で乳糖を分解して酸とガスを形成する好気性又は通性嫌気性菌をいう。また、大腸菌群数とは、大腸菌群を定量的に表したもので、検水1L中の大腸菌群の集落数又は検水100mL中の大腸菌群の最確数(most  probability  number)「MPN」で表される。大腸菌群数は、し尿汚染の指標として用いられる。大腸菌は人体排泄物中に大量に存在する。大腸菌の検出によって直にその水が危険であるとはいえない。大腸菌自体は無害であるが、消化器系伝染病は常に大腸菌と一緒に存在するため、大腸菌の検出は消化器系伝染病の存在を疑うことができる。大腸菌が病原菌の指標として都合が良いのは、大腸菌が消化器系伝染病より抵抗力が強く、検出が容易なためてある。つまり、大腸菌の検出されない水には病原菌も存在しないと考えて良い。対象は、河川、湖沼、海域。基準は、類型により異なり、501,000MPN/100mL以下と定められている。

 

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7 総窒素(T−N)

 総窒素は、窒素化合物の総量をいう。窒素は、動植物の増殖に欠かせないもので、リンとともに栄養塩と呼ばれ、その存在量は、富栄養化の目安として使われている。対象は湖沼。なお、窒素に関わる環境基準は「全窒素」として定められているが、これは総窒素と同じである。基準値は、類型により異なるが、0.11mg/L以下と定められている。

 

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8 総リン(T−P)

 総リンは、リン化合物の総量をいう。リンは、動植物の増殖に欠かせないもので、窒素とともに栄養塩と呼ばれ、その存在量は、富栄養化の目安として使われている。なお、閉鎖性海域においても、湖沼同様に富栄養化が問題になり、平成5年に海域における環境基準が設定された。汚濁源としては、生活排水、畜産排水、工業排水等広い範囲から排出される。大きな汚濁源とされていた衣料用洗剤並びに食器用洗剤中に含まれるリンについては、無リン化が進んでいる。

 

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9 n−へキサン抽出物質

 n−へキサン(ノルマルヘキサン)という有機溶媒によって抽出される不揮発性の物質の総称で、水中の油分の指標のひとつである。n−へキサンで抽出されるものは、油のほか、アルコール、農薬、フェノールなどがある。油分の直接及び間接的に魚介類のへい死を引き起こすとともに、魚介類に着臭してその商品価値を失わせる。そのため、環境基準では、海域についてn−へキサン抽出物質として「検出されないこと」と定められている。

 

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2.健康項目

 


   

1 力ドミウム(Cd

 カドミウムは、自然界において亜鉛や鉛に伴って産出される。銀白色の柔らかい重金属で、合金の成分として、電池やメッキの材料、染料となるなど用途が広い。比重は867。カドミウム環境汚染と関係する健康被害としては、富山県神通川流域のイタイイタイ病が知られている。(イタイイタイ病:慢性中毒による腎臓障害)基準値は、環境基準及び水道水質基準では「0.01mgL以下」、排水基準及び下水道への俳除基準では「0.1mg/L以下」と定められている。検出されないことが望ましい。

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2 シアン(CN

 シアンは、有毒な無色の気体で特異な臭気を持つ。シアン化カリウム(青酸カリ)やシアン化ソーダは、毒物として有名である。主な発生源は金属加工工場やガス工場である。基準値は、「検出されないこと」と定められている。

 

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3 鉛(Pb

 鉛は、青みを帯びた灰色の金属。重く、かつ柔らかく有毒。比重は11.34。鉱山排水、工場排水や上水道の鉛管から溶することがある。慢性中毒として脳障害や精神障害を引き起こす。基準値は、環境基準では、平成5年に0.1mgL以下から0.001mgL以下に、水道水質基準では平成4年に0.1mgLから0.05mgL以下に強化された。検出されないことが望ましい。

 

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4 6価クロム(CrVl))

 クロムはいくつもの結合形式の化合物をつくるが、安定な化合物として使われているのは、3価と6価のものである。環境基準で定められている6価クロムとは、クロムが6価の形で働いている化合物を言う。6価クロムは酸化力が強く、3価クロムの100倍も有害と言われている。慢性中毒、急性中毒ともに知られている。汚染源は、メッキ、皮なめし、精錬工場や鉱さい捨て場などである。昭和50年クロムメッキ工場排水が新興住宅地の井戸水を汚染し、これを飲用したり、浴用にして100名もの人が消化器障害や皮膚疾患をはじめ、全身病状を呈し、低濃度の場合でも亜急性〜慢性中毒のおそれがあることがわかった。基準値は、「0.05mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

 

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5 砒素(As

 砒素は、昔から知られた毒物である。農薬、染料などに用いられる。宮崎県高千穂町土呂久鉱山、島根県笹ケ谷鉱山で、砒素による環境汚染が発生している。また、昭和30年に西日本一帯で発生した森永砒素ミルク事件は、乳粉の安定剤として使用される第二リン酸ソーダ中に亜砒素が58%含まれていたことが原因。水中の砒素の汚染源は鉱山、銅精錬所、農薬医薬品工場などである。また、天然にも温泉水や地表水に高濃度で含まれていることがある。基準値は、「0.01mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

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6 総水銀(THg

 水銀は、無機水銀と有機水銀に分けられる。アルキル水銀は有機水銀に含まれる。総水銀はこれらの総称である。水銀そのものは、常温では唯一液状の金属であり、銀白色の重い液体である。比重は13.55。水銀は自然水中には含まれず、工場排水や農薬に由来する。水銀は、古くから知られた毒物である。また、各種の水銀は、植物連鎖により濃縮される危険なものである。基準値は「0.0005mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

 

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7 アルキル水銀(RHg

 アルキル水銀は有機水銀の一つであり、神経をおかす。「水俣病」の原因物質である。各種のアルキル水銀のうちメチル水銀の慢性毒性が最も強く、エチル水銀はそれより13割毒性が弱いとされている。食物連鎖により濃縮されるので危険なものである。通常の浄化処理では除去分解は困難である。主な発生源は、化学工場、乾電池製造業などである。基準値は、「検出されないこと」と定められている。

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8 ポリ塩化ビフェニル(PCB

 PCBは、天然には全く存在しない合成有機塩素系化合物。化学的に不活性なために、分解が困難だが、耐熱、耐酸、耐アルカリ性で、電気絶縁性が高いなど、工業的には理想的なものとして、多くのものに使用されてきた。昭和43年に西日本を中心にカネミ油症事件が発生した。その後広範囲な環境汚染が注目され、生物濃縮を受ける性質を持っていることも加わって深刻な社会問題となった。汚濁源としては、感圧紙再生工場、ゴミ処理場、下水処理場がある。基準値は、「検出されないこと」と定められている。

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9 ジクロロメタン

 ジクロロメタンは、有機塩素系化合物の一種。エーテル様の臭気がある無色透明の液体で水に2%程度溶ける。揮発性が高いことから大部分は大気に揮散する。ジクロロメタンの水中での分解は遅い。麻酔作用及び中枢神経障害を起こす。発ガン性が懸念される。主に、塗料の剥離剤、プリント基盤洗浄剤等に使用されている。地下水汚染が懸念される。基準値は、「0.02mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

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10 四塩化炭素

 四塩化炭素は、有機塩素系化合物の一種。無色透明の液体で不燃性。蒸気圧が高く、大気に移行する割合が高い。水中での分解はゆっくりである。肝臓、腎臓障害や中枢神経障害を起こす。発ガン性が懸念される。基準値は、「0.002mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。オゾン層の保護のために、「199611日よりの生産量及び消費量」は、ゼロと定められた。

 

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11 12−ジクロロエタン

 1.2-ジクロロエタンは、有機塩素系化合物の一種。無色透明の液体。環境への放出先は、大部分が大気であり、表層水及び地下水への直接的な流出は比較的小さい。肝臓、腎臓に障害を起こす。発ガン性が懸念される。主に、塩化ビニル等樹脂の原料、フィルム洗浄剤等に使用されている。地下水汚染が懸念される。基準値は「0.004mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

 

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12 11−ジクロロエチレン

  1.1 −ジクロロエチレンは、有機塩素系化合物の一種。無色透明の液体。 環境中への侵入は、その製造過程及びポリマー製造の原料として使用される際に起こるものと考えられる。麻酔作用がある。主に、塩化ビニル等樹脂の原料、フィルム洗浄剤として使用される。基準値は、「0.02mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

 

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13 シス−12−ジクロロエチレン

 シス-1.2−ジクロロエチレンは、有機塩素系化合物の一種。無色透明の液体。生産や使用の過程に大気中に揮散し、また、排水とともに環境中に放出される。麻酔作用がある。 トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物から脱塩素化により生成する。基準値は、「0.04mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

 

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14 111−トリクロロエタン

 1.1.1−トリクロロエタンは、有機塩素系化合物の一種。 甘い臭いを持つ無色透明の液体で不燃性。揮発性が高く、水中へ放出されても表面から大気中へ揮散する。 土壌へ放出された一部は、地下水に浸透し地下水汚染を引き起こす。大気中では比較的安定で、広域に拡散しやすく、オゾン層破壊の原因物質の一つとなっている。中枢神経への影響がある。基準値は、「1mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。オゾン層の保護のために、「199611日よりの生産量及び消費量」は、ゼロと定められた。

 

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15 112−トリクロロエタン

 1.1.2−トリクロロエタンは、有機塩素系化合物の一種。甘い臭いを持つ無色透明の液体で不燃性。使用の場から排水として環境へ放出される。揮発性が高く、水中から揮散して大気へ移行する。また、生物濃縮性、土壌吸着性、生分解性も低いため一部は地下水に浸透し、地下水を汚染する。中枢神経への影響があり、1.1.1−トリクロロエタンより数倍作用が強いと言われる。発ガン性が懸念される。主に、塩化ビニリデン(1.1-ジクロロエチレン)の原料として使用される。基準値は、「0.006mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

 

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16 トリクロロエチレン

 トリクロロエチレンは、有機塩素系化合物の一種。合成物質で天然には存在しない。無色透明の液体で不燃性。 環境への侵入は、蒸気圧の高さのために、主に揮散して大気へ移行する。一方、比重が重く土壌吸着能が低いために地下水汚染を引き起こす。体内に蓄積して肝臓、腎臓障害や中枢神経障害を起こす。発ガン性が懸念される。主に金属洗浄に用いられる他、生ゴム、染料の溶剤等に使用され、工場排水などに含まれる。 基準値は、「0.03mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

 

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17 テトラクロロエチレン

 テトラクロロエチレンは、有機塩素系化合物の一種。合成物質で天然には存在しない。エーテル様の臭気がある無色透明の液体。蒸気圧が高いために環境中では、主に大気に移行し、また一部は地下浸透して地下水に達する。地表水に放出されたテトラクロロエチレンは、主に揮発によって水中から除かれる。肝臓、腎臓障害や中枢神経障害を起こす。発ガン性が懸念される。主にドライクリーニング剤として用いられる他、医薬品、香料、溶剤に使用される。地下水汚染の進行が懸念される。基準値は「0.01mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

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18 13−ジクロロプロペン

  1.3−ジクロロブロペンは、農薬・有機塩素系化合物の一種。無色の刺激臭のある液体。土壌線虫専用の殺虫剤DD剤有効成分である。環境中の主な放出は、土壌くん蒸剤等の使用による。そのため土壌中に存在している。土壌中の生分解を受けるため、地下水から検出しにくい。また、揮発性が高いため水中から速やかに揮発し、大気中に移行される。発ガン性が懸念される。地下水汚染の進行が懸念されている。基準値は、「0.002mgL以下」と定められいるが、検出されないことが望ましい。

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19 チウラム

 チウラムは、農薬。無色の結晶の殺菌剤。種子消毒、茎葉散布剤として単用のほか他剤と混合し使用される。分解が速いため環境中での寿命は短いと考えられる。基準値は、「0.006mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

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20 シマジン(CAT

 シマジンは、農薬。白色の結晶の畑地土壌処理剤。野菜、果樹、芝生に除草剤として用いられる。春秋の雑草発生前に散布。安定性が高い分、残留性が高い。基準値は、「0.003mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

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21 チオベンカルブ

 チオベンカルブは、農薬。無色の液体の土壌処理剤。水田除草剤として、用いられる雑草の発芽期ないし生育初期に散布する。基準値は、「0.02mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

 

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22 べンゼン

 べンゼンは、揮発性有機化合物の一種。無色の液体で特有の臭いがある。水中でのべンゼンは、主として大気への蒸発によって除かれる。大気中では、太陽光下で光化学反応を受け消失する。発ガン性が懸念されている。また、白血病及び再生不良性貧血の要因となる。化学合成原料、溶剤等に用いられる他、ガソリン中に多く含まれる。基準値は、「0.01mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

 

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23 セレン(Se

 金属セレンは灰色の光沢のある固体で、自然界に広く存在するが、その濃度は地域的変動が大きい。用途としては、セラミックス、半導体、光電池、整流器等広く使用されている。また、セレンは生体必須元素であるが、過剰摂取による中毒症状をしめす。基準値は、「0.01mgL以下」と定められているが、検出されないことが望ましい。

 

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24 ホウ素

 ホウ素は、黒色のかたい固体で、通常ほう砂やほう酸の形で使用されている。 主な用途としては、金属精錬時の脱酸剤、中性子吸収剤、防腐消毒剤、ガラス、陶磁器、皮なめし等広く使用されている。ホウ素による中毒症状は、胃腸障害、皮膚紅疹、抑うつ病を伴う中枢神経症等が一般にみられる。平成11年2月に、要監視項目から健康項目へ移行された。基準値は、「1mg/L以下」と定められている。海中には、「4.5mg L程度」含まれている。

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25 フッ素

 フッ素は、特異臭のある黄緑色気体で、通常フッ化水素酸またはその塩の形で使用されている。用途としては、ガラスの侵食作用を利用したガラスのつや消し、金属洗浄剤防腐剤、ほうろうのうわぐすり等がある。フッ素の飲料水からの長期的摂取による影響として、はん状歯の発生がある。一方、適度のフッ素イオンは虫歯予防に効果があることが認められている。平成11年2月に要監視項目から健康項目へ移行された。基準値は、「0.8mgL以下」と定められている。海中には、「1.4mg/L程度」と含まれている。

 

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26 硝酸態窒素(NO3N

 硝酸塩として含まれている窒素のことで、水中では硝酸イオン(NO3-)として存在している。種々の窒素化合物が酸化されて生じた最終生成物で、富栄養化の原因となる。また、多量に人体に摂取された場合、体内で亜硝酸態に還元されてメトヘモグロビン血症などの障害を起こすことも知られている。平成11年2月に要監視項目から健康項目へ移行された。基準値では、亜硝酸態窒素と硝酸態窒素をあわせて10mgL以下と定められている。

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27 亜硝酸態窒素(NO2N

 亜硝酸塩として含まれている窒素のことで、水中では亜硝酸イオン(NO2-)として存在している。亜硝酸態窒素は、主にアンモニウム態窒素の酸化によって生じるが、きわめて不安定な物質で、好気的環境では硝酸態に、嫌気的環境ではアンモニウム熊に速やかに変化する。亜硝酸態窒素は、富栄養化の原因となるだけでなく、多量に人体に摂取された場合、血色素と反応して血液の酸素運搬能力を低下させるといわれている。平成11年2月に要監視項目から健康項目へ移行された。基準値では、亜硝酸態窒素と硝酸態窒素をあわせて10mgL以下と定められている。

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