第6回最上川水系流域委員会が開催されました。
 
 平成13年7月13日に第6回最上川水系流域委員会が、パレスグランデール(山形市荒楯町1−7−40)において学識経験者、市民団体の代表者、関係行政等が出席し開催されました。
 
 主な意見としましては、
 
(1) 河川整備計画の基本的な考え方と取り組み(大臣管理区間)
  1)河川整備の基本理念について
「紅花の路」の路は、平仮名の方がやさしくて良いのではないかと思います。
テーマ1では、「自然の恵みを大切にし、水害や渇水の被害の少ない、安全で安心できる最上川を目指します」とし、水の恵みの大切さを表現した方が良い。
テーマ2については、四季はフレーズの方に出てきているので、包括した言い方をすれば「歴史と潤いを感じる川づくり」としてはどうか。テーマの説明文は、「自然との共生をはかり、沿川の歴史・文化を継承し、四季それぞれの豊かな潤いのある最上川を目指します」とすれば良いのではないか。
テーマ3について、「流域住民が集い」は、「流域の住民」として、やさしく表現してはどうか。
テーマ4について、「流域社会との連携を深めつつ」とあるが、交流という言葉を入れ、柔らかく表現してはどうか。
いろいろ文句を並べても感覚的にある程度分かれば良いのがキャッチフレーズなので、もっと簡潔で良いのではないかと感じる。
各委員の自分の意見を事務局に出して、それを参考に直して頂いた方が良いのでは。
基本理念を掲げる場合は、地域住民、県民にとって分かりやすい短い文章でまとめた方が良い。
言葉にはいろいろ好みもあると思うので、相対的な意味合いが通じれば、そんなにこだわらなくても良いのではないか。
 
2)河川整備の目標について
○支川の整備計画の目標については、どのように考えているのか。
 
3)主要な治水対策検討資料(大臣管理区間)について
掘削の仕方もいろいろあり、あまり影響のないように見受けられるが、荒川放水路の矢板護岸のように、ガラッと水辺が変わることはないのか、今の環境より良い環境が出来る可能性もあるのか、お聞きしたいと思います。
河道掘削が必要なのは、水が流れている低水部より上の部分で、生態系への影響があるのは平均低水位以上の部分と思いますが、生き物の状態などは、水辺の国勢調査で調べられますので、確認しながらやっていけば大丈夫ではないかと思います。
防災管理のいろいろな取り決めや制度について説明がありましたが、ある地域で、その現場に通報がなされなかったことがありました。放流通報連絡体制は組まれているが、人命に係わる問題なので、二重、三重のチェックが出来るような形で進めて頂きたいと思います。
整備計画の策定にあたっては、ハード面だけでなく啓蒙啓発など、ソフト面についても強く打ち出して欲しい。水質の改善などは、住民一人一人に期待しないとなかなか難しい。
災害時に通報がスムーズに行くよう、最上川に河口からの距離を、堤防に表示する必要があるのではないか。
置賜の治水対策で、高水敷が広いところを掘削すれば、かなりの雨量でも耐えられるのではないかと思う。堤防沿いは相当緑が豊かなので、その辺は、出来るだけ残してほしいと考える。
流域全体での事業の進め方を示し、この計画が一番川にふさわしいというような、説得力があるものを出して欲しい。
整備計画の対象期間の30年はどう決めているのか。
最上川でも過去の洪水の水位を確認できるものを付けたら、住民たちも、ここまで水位が上がるということを実感できるのではないか。
子供たちが親しみやすく、分かりやすい川の距離標を表示して欲しい。
住民の方も洪水警報に対して理解が進むと思うので、過去の水害の最高水位標を見えるところに表示して欲しい。川に親しむ親水空間を整備し、住民の川に対する地区の啓発というものに役立てて頂きたい。
   
(2) 河川整備計画の基本的な考え方と取り組み(知事管理区間)
  1)最上川水系河川整備計画(知事管理区間)の目標と基本的な考え方
(2)の中に「魚が生息できる程度の維持流量」という表現があるが、どの魚を仮定するかによって変わるため、意味が広すぎる。
「ダム等を整備する河川については」という部分も、「自然環境・生態系等との調和のとれた健全な水循環系の確保に努めるものとする。」という文の中に含まれるのであれば、無くても良いのでは。
 
2)各圏域のメイン事業
知事管理区間の須川については、改修が遅れているような感じがする。須川の両岸とも最近都市化が進み、新興住宅が増えており、大水害が起きないとも限らない。20年ごとの見直しではなく、もっと短い期間で見直しするべきではないか。
環境が良くなる工事の仕方を念頭におきながら進めて欲しいと思う。
流域の変化(地被状況や市街化など)により、過去と現在では、流出量に変化があるはずだが、計画にはどれ位反映されているのか。また、将来の流域の変化や河川整備を取り込んだ計画としているのか。
森林を水源林として考えた場合、他機関との連携が重要であり、整備計画へ盛り込んで欲しい。
小牧川の資料については、内川での市民の取り組みや具体的な浄化対策例を示すなどして、住民が自助努力を行えば、水質改善につながることを示せば、住民も自信を持てるのではないか。
整備目標としてS42,S44洪水を目標としており、現在では大分年月が経っており、流域の変化による流出状況がどうなったかという委員の問いだが、何かを整備する時の根幹に係わる問題なので、長井ダムの委員会でも議論になった。技術的に見るとすれば、既往のデータで見ることになるが、この間、過去から現在までの既往データをチェックし、大体考慮されているということで聞いている。当然ご指摘の流域の変化はこれからも見ていかなければならないと思う。
大臣管理区間が30年、知事管理区間が20年と長期的なことになると、推定しにくい要素があると思うが、流域委員会の最後のあたりで、ある程度の優先順位や水理学的にまたは環境論といった、いろんなものを込めて、こういったことをやりたいということをせめて10年一区切りくらいで提起して頂きたい。
   
  −その他事務局より−
河川に関する情報をいかに共有し、効率よく提供していくかという大きな課題であり、交流の促進、住民参加をしっかりと読みとれるような整備計画をお示ししたい。
また、環境生態工学の分野での新技術や、下水道や森林の適切な管理など、他事業との連携、そして、これらをバックアップするNPOとの連携なども盛り込んだ整備計画の案を示して行きたい。
 
 等がありました。
 
会場全体
討論状況


(参考資料)