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最上川慕情(最上郡大蔵村の稲沢の渡し閉鎖)の短歌

・小春日に 花嫁乗せし 渡し船 老船頭が 自慢げに語りし

・肘折の 鉱山に稼ぎし 成金は この船使って 万場町へ 通ひし

・明治から 幾多の文人 渡りきて 「稲沢の渡し」 終焉(しゅうえん)近し

・もういやだ 小学生の 川流れ 通学バスに 取って替はれり

・清水館(たて) 眼下を流れる 最上川 何事もなく 今日も暮れ行く

・蕩々(とうとう)と 流れ下れし 最上川 「稲沢の渡し」 廃止となりぬ

・村人と 膝突き合はす 社交場 六畳程の 笹船の中で

・川底に 黒く渦巻く 最上川 長閑(のどか)な流れに 魔物が棲みぬ

・一晩で 激流に変はる 最上川 船頭泣かせの 浅瀬もありて

・目に浮かぶ 紅花積みし 川船が 列を作りて 酒田へ下る

・数百年も ずっと続いた 渡し船 車社会に 櫓(ろ)が追ひつかず

・時代劇の ロケ地に似合ふ 渡船場の 最後の船頭を カメラに納む

・苦労せし 「おしん」の時代 酒田への 筏流しは 今は見られず

・渡し船 廃止と聞きて 駆けつけぬ 椅子茣蓙(ござ)もなく 身の置処なし

・その昔 手馬も乗せし 渡し船 所かまはず 馬糞(ばふん) なしゐき

・子供等に 慕はれゐたる 船頭は 返り船にて 噺(はなし)しくるる

・対岸へ 橋を廻れば 4キロの 「稲沢の渡し」終に消えゆく


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