『八目うなぎの棚網漁法』について
八目うなぎの捕獲方法にはいろいろありますが、私の提示する「棚網漁法」とは、流れの急な所に石積みの棚堤を築いて更に水流を強くして魚を岸辺に誘導し、そこに捕獲場を設置して特殊な「四つ手網」で掬い揚げる極めて原始的な漁法であるが、その感触は魚捕りの好きな者にとってはやみつきとなる。
この漁法は、最上川三難所の隼の下流にしかないめずらしい漁法として、後世に残したいと思います。場所は、隼の下流300m左岸に四基、隼橋(旧昭和橋)の上流1km左岸に3基ある。戦後周辺に数基作られたが昭和40年代に入って川の汚染により漁獲量が激減し、棚の保全も放置されている。ここ3年前から少しずつ獲れるようになり、4名ほどが「カゴ網」を使って漁を楽しんでいる。
この漁法についての記録はなく、いつ頃から作られたのか、建設省担当区に資料の有無について問い合わせ中です。
漁期については、昔から「春と秋の増水期の闇夜」とされ、月夜の晩はあまり獲れなかった。今は夏も獲る者がいるが、先祖からの教えは、"夏の八目うなぎは食えない"として、種の保存を確保していた。厳守したいものだ。
私も、旧昭和橋のたもと富並一境の目部落の生まれで、一晩に80匹も獲れた経験があり、先祖伝来の網も実家で保存されています。今回の調査に際し、現役の生亀さんには、二組の四つ手網が整備されていることを確認し心強かった。
村山市では、最上川小鵜飼舟の曳船の跡を保存しておりますが、これを八目棚まで延長して、最上川三難所観光に結びつけようと地元関係者と話し合いをして行政に働きかけようと思っています。 |