くらしとつながる最上川
最上川と漁業
  最上川では、あみを投げて引きあげたり竿でつりあげたりとさまざまな漁業が行われています。昔ながらの漁を伝えるために、地域の人たちが協力してつくったヤナ場には、毎年多くの観光客がおとずれ、にぎわっています。
  また、卵を守るため、産卵期(1)のメスが通る時期には魚をとらない禁漁期間をつくるなど、魚や川にとって良い自然環境を考えながら、最上川の漁業は続けられています。
大江町の観光ヤナ場 アユのヤナ漁
大江町の観光ヤナ場
9月から10月のみじかい期間にアユ漁が行われる
「年魚」:寿命が一年の魚

昔は光をきらうアユの習性を利用して、アユをヤナに追い込むときに葉が光るやなぎの枝をヤナのまわりにさしていたそうです。10月の「アユ祭」には県外からもたくさんの観光客の方がおとずれるんですよ。 大江町でヤナ漁をしている小関さん
大江町でヤナ漁をしている小関さん

サケの稚魚を川に放流しているようす 魚の養殖
 自然の力にまかせるのではなく、人が環境を整えて魚を育てることを養殖といいます。山形県では、コイ、ニジマスなどの養殖がさかんです。また、人工ふ化場(1)で卵をかえして生まれた★★稚魚を川へ放流しています。
サケの稚魚を川に放流しているようす ★★「稚魚」:卵からかえってまもない魚

最上川と産業

 山形県では、農業や漁業だけではなく、さまざまな産業もさかんです。製品をつくる工場や、商品を販売するお店で必要な電気や水は、最上川などの水を利用しています。工場の機械を動かしたり、お店の明かりをつけたりする電気は、主に火力発電(1)所や原子力発電(1)所のほか、水力発電所でも起こしています。この水力発電には最上川の水を利用しています。発電以外に工場などで使われるたくさんの工業用水も最上川の豊かな水を利用しています

水力発電
朝日町にある上郷発電所
朝日町にある上郷発電所(上郷ダム)
 水力発電とは、高い所から低い所へ水が流れ落ちるときの力で発電機を動かして、電気を起こす方法です。燃料を使わずに自然の水の力を利用して電気を起こすことができます。そのため、ほかの発電方法よりも環境にやさしい方法です。
川をいったんせき止めてつくったダムには、ためた水を利用して電気を起こす水力発電の役割もあるんだよ。水の力はすごいね!
〈 水力発電をしている主なダム〉…… 寒河江ダム・月山ダム・長井ダム・荒沢ダム・木地山ダム など

酒田工業用水道 工業用水
 酒田港のまわりには、大きな酒田★★臨海工業地帯があります。たくさんある工場に水を送るため「酒田工業用水道」が整備され、最上川からくみ上げた水を、浄水場できれいにしてから工場で利用しています。
酒田工業用水道   ★★「臨海工業地帯」: つくった製品を船まで運びやすいように、港や海の近くに工場が集まった場所

むずかしい言葉の意味
1
産卵期
卵を生む時期
2
人口ふ化場
卵がかえって魚が生まれるまで、人が環境をととのえて管理する施設
3
火力発電
燃料をもやして水から水蒸気をつくり、その力を利用して電気を起こすこと
4
原子力発電
核分裂という方法から水蒸気をつくり、その力を利用して電気を起こすこと


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