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最上川文化館 > 伝説
松川のカッパ
 最上川の上流、松川(現在の最上川)の先に梓川というきれいな川があります。その川の近くの庄屋には一人娘がいました。近頃その娘の様子がおかしいので、心配した母親が巫女に相談したところ、「カッパのしわざなので、高寺の和尚に呪文を唱えてもらいなさい」と言われました。母親が急いで高寺に行くと、和尚は「娘は、カッパの子供を身ごもっている。わしが呪文でカッパを呼び出してこらしめてやろう」といいました。そして、呪文を唱えるとザザーッと裏の川の水がひいていきました。和尚が「よいか、今度いたずらをしたら川の水を全部干上がらせるぞ。わかったら、娘をもとに戻せ」と言うと、どこからともなく「はい、もうしません」というカッパの声。それからというもの娘はもとに戻り、この辺りでカッパのいたずらはなくなったそうです。ところが、今度は高畠町糠野目の松川で、馬方が馬を洗っていると、なんと馬がずんずん沈んでいくではありませんか。馬方が力いっぱい馬を引き上げると、しっぽにカッパがくっついてきました。馬方は怒ってカッパに「いたずらするやつはつかまえて殺してやる」というと、カッパは「きず薬の作り方を教えるからお許しを」と必死に謝ってきます。馬方は「もういたずらはしないという証文を持ってこい」と言って、カッパを放してやりました。次の朝、馬方の家の前には、きず薬の作り方とカッパ文字で書かれた証文が置いてありました。その証文は「カッパのわび証文」として今も残っているそうです。

参考:「山形の伝説」 日本標準発行

イメージ:松川のカッパ
松川のカッパ


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