最上川は、その発生と形成段階で水の抵抗の比較的少ない第四紀層ないし第三紀層の上を流れました。これらの層は花崗岩の上に堆積して出来たものですが、水の浸食を受けて川底が深くなるにつれ、場合によっては下部の花崗岩が顔を出す所も出て来ます。ところが、この花崗岩は水の浸食に強いため、やがては川底で水をせき止める堤のような形になり、その一帯は流れが急になります。上流部では白鷹台地に沿った五百川の黒滝、中流部では村山市周辺にある“最上川三難所”の碁点・三ヶ瀬・隼などが代表的です。川全体の流れはゆるやかであっても部分的には急流に見える所が点在しているほか、「五月雨を集めて早し最上川(芭蕉)」があまりにも有名なため、川全体がそうであるかのような印象を与えてしまったのです。 |