過去の作品
第20回(令和3年度)高校生「橋梁模型」作品発表会

応募作品No.3
作品名:鶴の舞橋
学校名:青森県立八戸工業高等学校 土木建築科



[製作者]
中村 俊樹(3年)  大清水 怜(3年)  永田 龍門(3年)  髙橋 陽翔(3年)


審査員長の講評

 青森県立八戸工業高等学校の作品、「鶴の舞橋」ですが、製作のモットーとして、「長く」・「低く」・「細く」という規定の長さにうまく納めようと造られた作品というだけあって、本当に細かいところまでよくできあがっております。
 道の直進性が見事に表現されておりますし、細部までこだわりが見られました。  橋全体としても、再現性がとても高く、先生が現地まで写真を撮りに行かれて苦労されたと思われるのですけど、先生の努力が報われたのかと感じさせる作品でした。


作品の種類 所在地 橋長(m) 竣工(西暦)
実在する橋の模型 青森県北津軽郡鶴田町廻堰大沢 300m 1994年
作品の元となる橋の概略(想像橋の場合は設定等)
 日本一長い木造三連太鼓橋「鶴の舞橋」は、津軽富士・岩木山の雄大な山影を水面に美しく映す津軽富士見湖に架けられています。
 径間100mの緩やかな木造アーチを3つに連ねる造形はぬくもりを感じさせ、岩木山を背景にした姿は鶴が舞う姿に見えるとも言われ、渡ると長生きができる橋として地元民に愛されています。 
 夜明けとともに湖面に浮かび上がる姿や夕陽に色づく眺望はとても美しく、季節の移り変わりと共に観光客を楽しませており、2016年にはJR東日本のCMにも起用されて有名になりました。(一部引用 青森県鶴田町観光ウェブマガジン,JR東日本CM情報 青森県 津軽の逆さ富士篇)
この橋を選んだきっかけ・動機など
 私たちの郷土青森が誇る津軽富士見湖 「鶴の舞橋」、近年その美しさが認められ県外からの観光客が増えています。橋梁模型コンテストに参加するにあたって、自分たちの手でこの橋を表現したいと思いました。
 情報収集や図面製作から始まって、多くの工程を地道に積み重ねて少しずつ舞橋の形が見えてくると、わくわくする気持ちで作業が進んでいきました。そして、実際の設計や工事に携わった方々の発想の素晴らしさや苦労、完成の喜びを想像することができました。
 これからも郷土青森の誇りとして、末永く在り続けて欲しいと願っています。
作品の実寸
長さ 奥行 重量 高さ 平面積
140cm 35cm 2.5kg 18.5cm 4900㎠
作品の材料(使用した主な材料を記載)
・ひのき棒   ・バルサ材   ・各種接着剤   ・塗料等
作品制作の工夫点、苦労した点など
 鶴の舞橋はゆるやかなアーチが特徴で、この「長く 低く 細い」 造形を模型の規定サイズに納めるための 「縮尺 と 再現する区間」 にこだわりました。
 実寸において全長300m、高さ8m、幅員3mとなる橋のすべてを対象として縮小すると、細長く小さな模型になってしまいます。そこで、 「ゆるやかでのびやかなアーチ」 と 「アーチを結ぶ東屋風のステージ」 を表現するために、再現の対象区間を中央アーチ付近にしぼり、縮尺を1/100としました。
 また、部材の形と寸法決め、数千個の部材の切り出し、加工、組立、塗装、仕上げなど多くの作業が必要で、作業計画や分担等の段取りを考えるために苦労しましたが、クラスの友人達が放課後に手伝ってくれて、仲間とともに完成の達成感を得ることができました。
 模型台は春に橋を囲むサクラや夕日をイメージした色調にしました。自然の風景や豊かな生態系はお届けできませんが、構造体である木組みの美しさやぬくもりを感じ、雄大な眺めを想像してほしいと願っています。

ホームページ作品発表会の開催にあたり、参加校からたくさんの写真、模型製作プレゼン資料等を提出していただきました。
ご協力ありがとうございました。
(提出のありました写真につきましては、1模型あたり5枚程度の掲載に調整しておりますので、ご了承願います。)