小川原湖東岸に打ちあげられたマリモ
  年の瀬の12月、三沢市の小川原湖東岸にマリモを思わせる直径2〜3pの球状の藻が大量に打ちあげられ、地域の住民から、「小川原湖にもマリモがいるのではないか」という話題になっていました。
 小川原湖では2001年、当事務所の調査で汽水域としては国内初とみられるマリモが発見されましたが、これは湖底の岩や貝に張り付くタイプ(着生糸状体)。今回のように球状になっている(てんめん型)の状態で発見されたのは初めてでありました。はたして、この物体はてんめん型のマリモがどうか?職員も固唾をのんで見守る中、12日、国内マリモ研究第一人者の若菜氏の鑑定で、見事マリモであるとの鑑定がでました。この型のマリモが現存するのは国内では北海道の阿寒湖だけで、若菜氏曰く、「貴重な発見」とのことでした。ちなみに1960年代後半に六ヶ所村の田面木沼で確認されたことがあったそうで、県内では、約40年ぶりの発見だといいます。
  小川原湖で球状のマリモが見つかった要因については、「原料となる糸状体のマリモが増え、湖底で大量に集積している可能性がある」とのことでした。
「球状のマリモが見つかるのはめずらしい。これを機に青森でも保護する動きが広まってほしい」と期待をしていました。
  自然環境に重点を置いている当事務所にとっては、非常にありがたい天からの贈り物。(12月なだけにサンタさんのブレゼントか?)これを機会に不思議な湖、小川原湖にもっと関心や興味をもっていただけたらなと思います。 ちなみに小川原湖のマリモは青森市の浅虫水族館でも展示しています。 

手のひらにのせるとこの通り、まんまるです
大きさの比較(1円玉と比較してみました)
 
   


 

 

 去る10月4日、東北町民文化センターで「防災座談会in 小川原湖」が開催されました。高瀬川流域では、昭和33年9月26日の台風22号により、東北町旭・栄沼地区など小川原湖と流入河川周辺の低平地が浸水し、床上床下浸水2,801戸、死傷者20名の水害に襲われました。
平成20年はその洪水発生から50年の節目の年ですが、これまでに高瀬川放水路や湖岸場の建設、流入河川の改修や排水機場が整備され、過去の大災害の記憶も風化しつつあります。
そのため、過去の水災を再認識し、防災について考えるための座談会が開かれ、町民ら約50人が当時を振り返り、災害対策について考えました。
  座談会では当事務所長が写真や新聞記事を使って当時の状況を説明、続いて当事務所長を進行役に佐々木幹夫八戸工大教授、当時の被災者である東北町在住の蛯名寛治さん、竹内亮一東北町長が意見を述べました。
  当時の悲惨だった状況、地球温暖化による気候変動で大雨になりやすい状況であるなど、活発な意見交換が行われました。
当事務所もこの防災座談会を機に、改めて災害の怖さを再認識し、これからも地域の方々の安全の確保に邁進していく所存です。
  ご参加くださった方々、大変ありがとうございました。

 

 

 

事務所長による講演「昭和33年9月洪水の概要と近年の出水」
多くの方々が来場