Surikamigawa Dam

摺上川ダム

摺上川ダムの洪水調節(自然調節方式)

摺上川ダムの洪水調節(自然調節方式)

ゲート操作のない自然調節方式により洪水を調節します

自然調節方式とは、ゲートを操作して洪水を人為的に調節するのではなく、洪水吐により洪水を絞り込むことで、自然に洪水を調節する方式のことです。摺上川ダムの洪水吐には3.0m×3.0mの洪水調節用放流口があり、その放流口によって洪水を絞り込み調節します。
また緊急放流時は全長317mの自由越流頂を超えて洪水を流下させ、ダム全体の安全性を確保します。

❶ 平常時

ダム下流河川の流水の正常な機能の維持、かんがい用水の補給、
水道水の供給等の為にダム諸データを監視し、ダムからの放流量(補給水量等)を調整します。

常用洪水吐敷高 > 貯水位

常用洪水吐敷高 > 貯水位 常用洪水吐敷高 > 貯水位

ダム湖へ流れ込む水のほとんどを貯めて、水道・かんがい等へ必要な量(7㎥/s程度)を取水塔から下流へ放流します。放流水は水力発電に利用します。

❷ 洪水調節(貯留時)

平常時の状態から大雨等によりダムに流入する水量が増加してくると、徐々に貯水位が上昇します。
貯水位が常用洪水吐の高さまで上昇すると自然調節(水量の絞り込み)が始まります。

常用洪水吐敷高 < 貯水位

常用洪水吐敷高 < 貯水位 常用洪水吐敷高 < 貯水位

常用洪水吐の放流口で水の量を絞り込みながら放流し、同時にダム湖に水を貯留することにより下流河川の急激な水位上昇を緩和します。(洪水の規模により最大100㎥/s程度が河川下流へ放流されることがあります)

❸ 緊急放流 (ダム洪水調節能力を超えた場合)

異常な豪雨で計画規模を超える洪水がダムに流入した場合は、
洪水時最高水位を上まわり、非常用洪水吐の自由越流頂を超えて洪水が流下します。
ダム湖に流れ込む水の量と同じ量が下流に流れます。
【『異常洪水時防災操作』と同様】

緊急放流 (ダム洪水調節能力を超えた場合) 常用洪水吐からの放流と非常用洪水吐の越流「緊急放流」となります。
緊急放流 (ダム洪水調節能力を超えた場合) (写真はイメージです:試験湛水時2005(平成17)年4月)

❹ 出水後(水位低下)

出水後は、ダムへ入ってくる水の量は減っていきますが、次の洪水に備え、
ダムの水位を通常の水位まで下げなければなりません。
この場合、ダムから放流しますので、ダム下流河川の水位に注意が必要です。

出水後(水位低下)


常用洪水吐

常用洪水吐

常用洪水吐で洪水を絞り込みながら放流し、同時にダム湖に水を貯留することで洪水を調節します。摺上川ダムには放流口は2つあり、洪水期・非洪水期で使い分けます。
(写真は点検で放流口の両方があいている状態)
非常用洪水吐

非常用洪水吐

異常な豪雨により、計画よりも大きな洪水が貯水池に流れ込むことがあります。緊急放流のことです。このときは常用洪水吐を越流し、非常用洪水吐と合わせて、洪水を下流の川へ流します。
(写真はイメージです:試験湛水時 2005(平成17)年4月)

摺上川ダムの洪水調節効果 大雨時に上流から流れ込む水をダムで貯め込み、下流への水量を低減させ、
洪水被害を軽減させることがダムの重要な目的の一つです。

洪水調節とは

摺上川ダム貯水池に、洪水の全部または一部を貯めることによって、ダム下流での洪水を未然に防いだり、洪水被害を軽減したりすること を洪水調節といいます。

過去の洪水調節効果

摺上川ダムが管理移行した2006(平成18)年以降の洪水調節を以下に示します。
これまで2019(令和1)年10月11~13日の台風19号が摺上川ダムへの最大流入量となっています。

  最大流入量
(㎥/s)
最大流入時の
放流量(㎥/s)
調節量
(㎥/s)
洪水要因
2021(令和3)年2月15日~16日の場合 120 4 116 低気圧及び融雪
2020(令和2)年7月28日~29日の場合 202 6 196 低気圧
2020(令和2)年4月18日~19日の場合 314 10 304 低気圧及び融雪
2019(令和1)年10月25日~26日の場合 124 6 118 低気圧
2019(令和1)年10月11日~13日の場合 523 5 518 台風19号
2017(平成29)年10月22日~23日の場合 249 7 241 台風21号
2017(平成29)年4月17日~18日の場合 106 6 100 低気圧及び融雪
2016(平成28)年8月28日~30日の場合 217 7 209 台風10号
2016(平成28)年8月22日の場合 272 5 267 台風9号
2016(平成28)年8月16日~17日の場合 297 2 295 台風7号
2016(平成28)年8月2日の場合 137 2 135 前線
2015(平成27)年9月6日~11日の場合 156 7 149 秋雨前線及び台風17号
(平成26)年10月14日の場合 123 7 116 台風19号
2014(平成26)年7月9日~10日の場合 200 24 176 前線及び
台風8号
2014(平成26)年6月29日の場合 106 8 98 低気圧
2013(平成25)年10月16日の場合 212 9 203 台風26号
2013(平成25)年9月16日の場合 130 9 121 台風18号
2013(平成25)年7月22日~23日の場合 239 7 232 前線
2012(平成24)年9月30日~10月1日の場合 115 5 110 台風17号
2012(平成24)年6月19日~20日の場合 233 9 224 台風4号
2012(平成24)年5月3日~4日の場合 325 48 277 低気圧

2011(平成23)年9月19日~22日の場合

255 8 247 台風15号
2007(平成19)年9月5日~7日の場合 146.01 10.25 135.76 台風9号
2007(平成19)年7月14日~16日の場合 119.78 17.29 102.49 台風4号
2006(平成18)年12月26日~27日の場合 311.60 13.93 297.67 前線に伴う低気圧
2006(平成18)年10月23日~25日の場合 142.22 20.72 121.50 前線に伴う低気圧
2006(平成18)年10月6日~7日の場合 149.55 21.59 127.96 前線に伴う低気圧
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