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浜通りの生物の北限と南限

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ハマナデシコ(北限)


ヒノキ(北限)
ヒノキ


クスノキ(北限)
クスノキ
分布図

 


 

●ハマナデシコ(フジナデシコ)

ハマナデシコ(いわき市久之浜町)
ハマナデシコ(いわき市久之浜町)

7月下旬から10月中旬にかけ、相馬市松川浦の中州やいわき市の海岸に、園芸種のナデシコによく似た紫紅色の花が咲く。ハマナデシコである。花の色からフジナデシコの別名もある。

暖地系の植物で東北地方では日本海側には分布せず、太平洋側南部にだけ分布する。しかもハマナデシコの和名のとおり、海岸沿いにだけ分布している。福島県では松川浦や富岡町、いわき市の海岸に自生地が知られている。特に松川浦の中州の西側には大きな群落があり、開花期は中州の浜辺が一面紫紅色に染まって見事である。世界的には日本のほか中国に産し、日本では沖縄諸島から東北南部まで分布している。

日本に自生するナデシコ属植物としては、このほかカワラナデシコ、ヒメハマナデシコ、シナノナデシコがある。カワラナデシコは昔は草原や山地の道路沿いにごく普通に見られたが、朝草刈りの習慣や里山の利用が少なくなり、自生環境がなくなったことから個体数が激減している。人間の生活習慣の変化から絶滅の危機に追い込まれている植物だ。キキョウやオキナグサも同じような理由から個体数を減らしている。カワラナデシコと変種関係にあるエゾカワラナデシコも福島県に産するが、変種として分けることは困難であるとする学者もいる。

苞が3対のものがカワラナデシコで、2対のものがエゾカワラナデシコとされているが、同じ株で両方の型がみられることもある。分ける必要はないだろう。ハマナデシコも海岸環境整備事業などで、生育地の海岸が駐車場になったり、海岸浸食で個体数を減らしている。松川浦の自生地は大切に保護していきたい所だ。

ヒメハマナデシコは丈が低く花がまばらで、苞の先が針状になるもので、和歌山県以南に分布し福島県からの記録はない。シナノナデシコは本州中部以南の植物で、福島県に産しない。


 

●ヒノキ

いわき市閼伽井薬師の旧参道の神木(ヒノキ)
いわき市閼伽井薬師の旧参道の神木(ヒノキ)。

福島県を北限とし、南は屋久島まで分布する。屋久島はスギの原生林で有名であるが、ヒノキの南限地でもある。北限地はいわき市の閼伽井(あかい)嶽である。

1960年に平営林署の小堀進・滝沢宏の2名により、閼伽井嶽のヒノキ天然林の調査報告書が出されている。それによれば、ヒノキは閼伽井嶽東南斜面に広く分布していたようで、総本数1629本を数えている。胸高直径1m以上のものも多く、最高直径1.6mのものも記録している。同時に周辺地域の伐採根も調べ、約1万u程度のヒノキ林があったと推定している。樹形や林相様式から、天然林であると結論している。

いわき市赤井から閼伽井薬師寺への旧参道中腹のヒノキ林は、営林署によりヒノキの遺伝子保存林として保護されている。参道沿いのヒノキは神木として残され、中には胸高直径1mを超えるものが多数ある。雨上がりの霧のかかった旧参道を歩くと、身の引き締まる神々しさを感ずる。

ヒノキに似た植物にサワラがある。よく似ているので間違われやすい。いわき市川前町沢尻のサワラは、間違って“沢尻の大ヒノキ”として国の天然記念物に指定されている。ヒノキとサワラの区別は葉の鱗片葉を見るとよい。ヒノキが鱗片葉の先がとがらず腺点がないのに対し、サワラは先がとがり、背面に一腺点がある。両者はヒノキ属であるが、アスナロは別属(アスナロ属)で、材質はヒノキに比べ多少劣り、特殊な臭気のある精油を含むので一般にはあまり好まれない。

ヒノキは建築材として最良とされ、その他器具材や彫刻材として用途が広い。また園芸品種も多数作られ、チャボヒバ、クジャクヒバ、ホウオウヒバなどはヒノキの園芸品である。

ヒノキは火の木の意で、古代人が棒をもんで火をおこす際、火切板として用いていたことからきている。


 

●クスノキ

いわき市夏井小学校のクスノキ
いわき市夏井小学校のクスノキ

いわき市夏井小学校の校庭のまん中に1本のクスノキの大木がある。野球をするにも、運動会を行うにも邪魔であることこの上ない。しかし、夏井の人々はこのクスノキを学校のシンボルとして大切に保護している。

実は、もともと校庭のまん中にあったわけではない。昔はL字型の校舎で、そのL字の角のところに植えられていたものだ。夏井地区が平のべッドタウンとして発展し、児童数が増えるにつれ旧校舎が狭くなり新校舎を建築したのである。

新しい校舎は昔の校舎より後ろに建てられ、その結果クスノキは校庭のまん中になってしまった。普通なら、このクスノキはその時点で伐採されていたろう。しかし、夏井の人達は校庭使用のいろんな不便を我慢しながらクスノキを残したのだ。そこに夏井の人達の温かい心が感じられる。

クスノキはクスノキ科を代表する暖地系の常緑高木である。タブノキ、ヤブニッケイなどと同じ仲間で、各所に栽植され大木となり、大きいものは20m以上に達する。葉は長卵形で表面光沢があり鋸歯はなく先端が細長くとがる。葉脈は3本が良く目立つ。全体に良い香りがありいろんな器具の材料に用いられ、樟脳を採ったりする。

アオスジアゲハはクスノキ科の植物、特にこのクスノキの葉に卵を産む。孵化した幼虫は葉を食べて成長する。そのため、アオスジアゲハの分布とクスノキ科の植物の分布とは密接な関係がある。アオスジアゲハが浜通り地方に多く中通りや会津地方に分布しないのは、クスノキ科のヤブニッケイ、タブノキ、クスノキが中通りや会津地方に分布しないからだ。アオスジアゲハが福島市で捕獲されたことがあった。これは風により飛ばされてきた迷蝶である。

いわき市にはクスノキの大木が多い。そのうち平瑞光寺と錦町御宝殿のクスノキは、いわき市の保存木に指定されている。自生のものとしては、いわき市小浜町のものが北限であろう。



 

●トウキョウサンショウウオ

トウキョウサンショウウオ

福島県が北限のサンショウウオがいる。体長8〜12センチで主に関東地方に生息するトウキョウサンショウウオだ。1943(昭和18年)発行の『日本産有尾類総説』に相馬郡石神村(現南相馬市)にすむとあり、ここが長い間日本の北限とされてきた。
  しかし、03年に県自然保護協会が相双地方を調査をすると、東北地方や新潟県などに生息する体長10〜14センチのトウホクサンショウウオは見つかったが、トウキョウサンショウウオは確認できなかった。
  「トウホク」と「トウキョウ」では生息地域が異なる。ただ、どちらも、流れのゆるやかな場所にすむ「止水性」だ。『総説』は「トウホク」を「トウキョウ」と誤認したようだ。翌年、協会はいわき市で調査をし、トウキョウサンショウウオが見つかった。これらのことから、北限は南相馬ではなく、いわきだったと判断した。



 

●エゾウグイ

エゾウグイ

【分 布】 北海道と東北の一部
【形 態】 ウグイによく似ているが、吻が上あごの前面に出る。
腹びれが長く、尻ビレの外縁はへこまない。
産卵期にも赤色縦があまりでないことなどの特徴がある。
【生 態】 緩やかな瀬や淵の底層近くを泳ぐ。
北海道では、河川の全域に生息するが海へは出ない。
全長25cm程度とあまり大きくならない。
【地方名】 ウグイと混同される




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