阿武隈川上流部における水質状況 > 平成20年水生生物による水質の簡易調査

平成20年水生生物による水質の簡易調査
   
   7月から9月にかけて、沿川の学校、各種団体の方々に参加を頂き、水生生物による水質調査を行いました。水生生物は、それぞれの河川状態に応じてさまざまな水生生物が住んでおり、それらの生物の中から水の汚れに敏感で、日本全国に広く分布し、目で見ることができる大きさの水生生物を指標生物として、その指標生物の生息状況で河川のよごれ具合を見ます。


【水質階級の分類】

Ⅰ きれいな水 Ⅲ きたない水
Ⅱ すこしきたない水 Ⅳ 大変きたない水


【各河川の水質階級図】




【水生生物による水質の簡易調査実施一覧表】

水系名 河川名 調査地点名 調査月日 調査機関団体名 水質階級
阿武隈川 阿武隈川 1.逢隈橋下流右岸 H20.7.9 郡山市立小泉小学校
郡山市小泉婦人会
阿武隈川 阿武隈川 2.鎌田大橋下流右岸 H20.7.22 福島市立福島第三中学校
阿武隈川 荒川 3.荒川・須川合流点 H20.7.28 福島市立福島第一中学校


【河川の指標生物による縦断調査】






【簡易分析集計表】

水系名 河川名 調査地点名 調査月日 調査項目(mg/リットル)※ 水質階級
pH COD NH4
-N
NO2
-N
NO3
-N

PO4
-P
阿武隈川 阿武隈川 1.逢隈橋下流右岸 H20.7.9 7.7 6.7 0.2 0.07 1.8 0.5 T
阿武隈川 阿武隈川 2.鎌田大橋上流右岸 H20.7.22 8 6.8 0.5 0.024 1.9 0.12 T
阿武隈川 荒川 5.荒川・須川合流点 H20.7.28 7 2 0.5 0.005 0.2 0.03 T


※調査項目について

pH(水素イオン濃度)

水中に存在する水素イオン濃度の大小を表し、水の酸性、アルカリ性を示します。自然な状態での水はpH7ぐらいを示しますが、強い酸性やアルカリ性を示す水の中では生き物は暮らすことができません。水道用の水はpH6.5~8.5と定められています。

COD(化学的酸素消費量)

水中にある物質(主に有機物)が酸化剤によって酸化や分解される時に消費される酸素量を示しています。CODが高い=水中の有機物が多い=生活排水、工場廃水などが多く混入している可能性があるとなります。またCODが高いと多くの酸素が消費され、酸素不足により水中生物が棲みにくくなります。

NH4-N(アンモニウム体窒素)

し尿や家庭雑排水による汚れを見るのに適しています。

NO2-N(亜硝酸体窒素)

亜硝酸は有機物の多い汚れた水に含まれ、酸素が付いて硝酸に変化する際は水中の酸素を多量に消費するため、水は酸欠状態になり、魚は窒息死してしまいます。

NO3-N(硝酸体窒素)

硝酸は酸素の多い水中に安定して存在します。雨水や上流のきれいな水、地下水にも含まれていますが、水道水質基準ではNO2との合計10mg/l以下とされています。

PO4-P(リン酸体リン)

リンは水を富栄養化する原因物質で、その供給源は生き物の死がい、農薬、家畜し尿などがあります。