平成20年に歴史まちづくり法が制定されてから8年が経過しました。この間、全国で60近くの市町村、東北地方では7市町の歴史的風致維持向上計画が認定されました。
歴史まちづくりの取り組みは、市町村長のリーダーシップのもと、地域の方々の参画により、それぞれ独自の取り組みが進められております。
そこで、取り組まれている市町村長のお考えをご紹介するため、連続インタビューを行うことといたしました。インタビューの聞き手は、東北地方整備局建政部と宮城大学です。
そのような中、市町村長の歴史まちづくりの取り組みに対する考え方、地域の方々の取り組み、これまでの各自治体の歴史まちづくりの成果を伺い、発信することで、歴史まちづくりに取り組まれる自治体の参考となるとともに、東北地方をはじめとする歴史まちづくりの取り組みが一層進むことを目的としています。
ここでご紹介した、先進市町村の取り組みが、皆様のご参考になることを期待しています。
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第5回は福原淳嗣大館市長です。【New!】 PDF 970KB
【大館市長インタビューのポイント】
◎強みを伸ばすには自分たちの強みを知ることが先で、歴史まちづくりでまず自分たちの強みを知り、そこから強みを伸ばすための総合戦略をつくる。
◎うれしいのは、何をやりたいかわからないといって始まった歴史まちづくりの取り組み過程で、市民からいろいろ提案してくれるようになったこと。
◎一番大事なのは子供たちに大館の良さや偉大な先人がいることなどを教える場をつくっていくこと。私たちは小さい時から大館に歴史的なもの、受け継いでいかないといけないものがあるということを教えられなかった。だから外から聞かれても、何もないよという答えしかできなかった。
◎祭りのために1年準備している友人がいる。その人の背中を見て20代の人がその生き方を格好いいと言う。
◎大館市役所ではおもてなしに「ホスピタリティ」という言葉は使わない。「シビック・プライド」という言葉を使うようにしている。好きだと伝えたくなることがまちづくりの根本ではないか。
◎まちづくりは一朝一夕ではできない。30年ないし50年かかるかもしれないが、その間、先人から受け継いだ歴史と文化と伝統を羅針盤にする。
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第4回は鈴木和夫白河市長です。 PDF 540KB
【白河市長インタビューのポイント】
◎まちづくりの中で文化財行政を進めることで、思いが描く歴史まちづくりに踏み出せました。
◎蔵は個人の持ち物ですが、町並み全体は白河の歴史的な資源ですから、なんとしても守っていかなくてはならない。
◎自分の街に対する「危機バネ」が働くと動き出すが、最初からこれをつくれと言うと長続きしません。
◎他の都市でいいことやっているのはためらわず取り入れます。
◎社会の中で活躍している人が活動の中心にいないと、他人ごとになってしまい、まちづくりは成功しません。
◎市長はオーケストラの指揮者のようなもの。それぞれのベクトルで動いている団体の奏でる音色を調和させるのが役割です。
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第3回は菊地健次郎多賀城市長です。 PDF 540KB
【多賀城市長インタビューのポイント】
◎多賀城という街だから、歴史の重みがある。後世に残していかないといけない。
◎東日本大震災があったが、景観、歴史、文化という多賀城らしさを活かした復興を目指すことにして、歴まちをやめるということは全く考えなかった。
◎歴まちがあったおかげで、震災からの復旧もうまくいった面がある。
◎東北随一の文化交流拠点を目指して、文化度をもっともっと高めていきたい。
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第2回は榎本政規鶴岡市長です。 PDF 960KB
【鶴岡市長インタビューのポイント】
◎鶴岡の歴史的な遺産に光を当てて、守り育てようという機運が市民の中に醸成されてきた
◎『自学自習』鶴岡市民が常に学ぼうという意欲、自らが積極的に動いていこうという機運が非常に大きな流れとして市民の中にある
◎まちの真ん中に城址公園があって、この立地他の街の人から見ると、奇跡ですね、セントラルパークですねと言われる
◎こんなに素晴らしい建物が鶴岡にあったんだなと、一昨年初めて知りました。あるということをみんな知らない。みんなに見せてあげたいという気持ちに
◎『自学自習』という、そういう下地があるからこそ、歴史的なバックボーンを土台として、いろんな文化を作り上げていこうという、そういう思いは私自身の中にあった
◎「市長、なんでコンパクトカーでなくて、スポーツカーでなければならないのですか?」
◎オート三輪みたいな形で、市民が一番前で、地域と行政が後ろの両輪で前に進んでもらえれば良い
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第1回は葛西憲之弘前市長です。 PDF 440KB
【弘前市長インタビューのポイント】
◎人に任せるのではなく、仕組みに任せて持続的に行う
◎市の動きが刺激になり、様々な活動、事業が生まれる
◎市民がプレーヤーとなるまちづくり、観光が大きな役割を果たす
◎歴史的風致をひたすら守るのではなく、攻めることが大事
◎情報発信を続け、それが市民の活力や誇りにつながる良い循環をつくる
◎新しい動きは、まず受け入れる
◎自分の子どもたちを『ねぷた』に参加させたいと戻ってくる、それが地域の祭りの意味
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東北地方整備局 歴史まちづくりのページ