国道112号とは

修験者が辿った霊峰に続く険しい山道

 庄内を走る5つの国道のなかでも112号の歴史は古く、出羽三山の登り口として修験者たちによって開かれた六十里越街道と呼ばれる道でした。江戸時代には「西の紀州熊野、東の出羽三山」とうたわれたほどの全盛を極め、明治維新前には毎年2万人ちかくが湯殿山に参詣するため六十里越街道を行き来したといいます。

 その名が表すように六十里越街道は、山形県鶴岡市の大日坊と西川町の湯殿山神社を結ぶ約六十里にわたる山越えの道でした。険しい山岳部を通り、標高913kmの大越峠を中心とする区域はわが国有数の豪雪地帯で、平成2年まで冬期の夜間通行規制が行われていました。

112号線写真1
冬期間の安全確保も万全

112号線写真2
月山を越えて内陸と庄内をつなぐ

街に、社会に、時代に調和する道づくりへ

 山形市から酒田市にかけて内陸部を横断する総延長約166.0km (道路統計年報2015より) の国道112号。その山形県西川町から鶴岡市までの約42.7kmの改築と管理を国土交通省酒田河川国道事務所が行っています。
現在の国道112号は、昭和45年から12年の歳月と約460億円の予算をかけて昭和56年に完成されたもので、「月山花笠ライン」の愛称で親しまれています。この完成を機に、防雪施設の整備や除雪機械、除雪体制の充実が図られ、平成3年からは冬期夜間通行規制を解除。
 車輌が安全に通行できるよう、テレビカメラや気象観測センサー、路面凍結感知機などで道路状況を把握し、「月山道路情報サブターミナル」からドライバーに情報を提供しています。
 また、月山道路は西川IC~月山IC間、湯殿山IC~庄内あさひIC間の開通に伴い、月山ICと湯殿山IC間の延長約21km区間が高規格幹線道路ネットワークの一部として引き続き利用されています。
 月山道路の安全で快適な道路交通を将来にわたって確保するため、平成10年度から行われていた「月山道路リフレッシュ集中工事」は、平成12年9月28日に完工、より安全性、走行性、耐久性に優れた月山道路に生まれ変わりました。