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岩木川流域の概要

岩木川は、青森・秋田県境の白神山地の雁森岳(標高987m)にその源を発し、上流部で暗門川や湯ノ沢を合わせ、目屋渓谷を経て東流し、弘前市付近で大きく北に流れを転じ、津軽平野に入り平川、浅瀬石川、十川等の支川が合流し、五所川原付近から平坦な低地を流れて十三湖に至り日本海に注ぐ、幹川流路延長102km、流域面積2,540km2を有する一級河川です。その流域は弘前市をはじめ3市11町10村からなり、流域人口は約50万人です。
  流域の形状は、それぞれほぼ同程度の流域面積をもつ岩木川、平川、浅瀬石川の3川合流点より上流域が全体の半分を占め、その形状も扇形に広がっており、下流域は細長い形状となっています。流域の地形は、中央部を三角州性・扇状地性低地から成る津軽平野で占め、南西部の岩木山火山地、白神山地などで周縁を構成し、流域の気候は日本海性気候を示し、特に冬季においては大陸高気圧からの北西季節風が強く吹き、多量の降雪をもたらします。
  流域内の年間降水量は約1,600mmですが、上流山地部は2,000mmにも及ぶ多雨地域となっており、多雨発生の時期は7月から9月に集中し、その原因のほとんどは台風と低気圧によるものです。

岩木川流域の地形・地質の特性

岩木川の上流域は奥羽山脈の北端と出羽丘陵北端白神山地にあって、十和田湖を中心に出羽丘陵の中心峰が日本海に延びて秋田県との県境をつくり、準平原を形成しながら津軽平野に迫っており、丘陵の北西端には津軽富士と言われる岩木山があり、その山麓の南側で丘陵平原と浅い谷をつくっている。
  岩木山の北山麓は、津軽平野に広く張り出しており、広大な裾野を展開し主に日本海に於いては海にまで迫っている。
  これら周辺山地に囲まれて、沖積平野として発達したのが津軽平野であり、平野の西縁は日本海の砂州地帯である。
  地質的には、当流域を概観すれば、新第三紀の地層によって構成されており、第三紀に属する地層は少なく、秋田県境に分布する古生層を形成するのみである。各地区別の特徴としては、次のとおりである。

  1. 東部の浅瀬石川上流域は、八甲田火山群が噴出して形成された所で、第四紀火山に属する青森県の代表的な火山である。また岩木山を中心に北東山麓津軽平野にかけて広く火山灰土を分布し、その大部分が新第三紀赤石層を基層とした火山岩層に覆われている。
  2. 津軽平野の南部、平川流域には温湯層と呼ばれる新第三紀の地層が平賀町の南部に分布し、また弘前市石川南部には流紋岩の露出も見られるが、平野の殆どは周囲を岩木山火山、十和田・八甲田火山群からの火山灰層によって囲まれ、第四紀河岸堆積物で被われて、いわゆる沖積層を形成する。

水文特性

岩木川流域の年平均気温は平地部で約10゚Cで青森市とほぼ等しい。降水量は南部の秋田県境付近山岳部では年2,000〜3,000mmと多いが、津軽平野は1,200mm〜1,400mmと少なく、その差が極めて大きいという特性を示しています。弘前市付近は緯度が高い割に年平均気温が約11゚C近くと比較的高いのは対馬暖流の影響を受けることと、冬期の日本海から吹き付ける寒風が岩木山にさえぎられ、また初夏にオホーツク海高気圧から吹き出してくる寒冷な北東風(通称「ヤマセ」)が八甲田山系の山でさえぎられるためである。
「ヤマセ」が長く続くと、五所川原以北では夏季の気温が上がらず、冷害を起こすことがある。過去50年間(昭和3年から52年)の長期観測からみると、多雨年と少雨年がそれぞれ連続して発生する傾向がある。
  また、たとえば金木では、昭和3年の883.5mmが最低で、最高は昭和41年の2,142mmでその差は1,285.5mm、標準偏差278.9mmと相当大きい差を示す特性をもっている。
  当流域は南部山岳部で集中豪雨が発生しやすい特性を示す。積雪は秋田県境の岩木川上流山地および浅瀬石川上流山地に多く、最深積雪が2mとなっているが、豪雪地帯にみられるほど多くはない。

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水との闘い

洪水の被害に泣いた
  津軽の文化を育む岩木川の流れ。この穏やかな流れも突然荒れ狂い、平和な暮らしを奪い取る洪水となって、人々を襲うこともしばしばでした。
  岩木川は上流部の河床勾配が急で、洪水流出が短時間に集中しやすい特徴があります。それに加え、下流部は河床勾配が緩く洪水が長期化するなど、流域は宿命的な水害に悩まされ続けていました。人々は、自然の猛威に敢然と立ち向かい、不屈の精神でその災難を克服してきました。
  そして幾たびとなく繰り返された水との闘いを通して、人々は多くのことを学び、新しい技術や文化を生み出してきたのです。 岩木川の洪水による被害は、古くは室町時代永禄10年(1567)から記録され、その数は百数十回にも及んでいます。
  昭和に入ってからの主な洪水は、昭和10年8月、昭和33年9月等下表のとおりですが、特に、昭和50年8月洪水では弘前市街の土淵川支川寺沢川が普段の20倍もの川幅となり、沿岸の人家を総なめにし、犠牲者11名を出した大惨事は忘れられません。最近では平成2年9月洪水、9年5月洪水により家屋や農作物に大きな被害がありました。

水害が発生しやすい原因
上流部は、流路延長の割に流域面積が大きく、河川勾配が急で、洪水流出が短時間に集中しやすい。

  1. 下流部は、河川勾配が緩く、河道における洪水流出時間が長い。
  2. 流域面積がほぼ同様な三河川(岩木川上流,平川,浅瀬石川)が上流部において同時合流する。

岩木川の洪水流出は、春期の融雪洪水と夏期の前線性集中豪雨によるものがほとんどである。

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岩木川の主な洪水被災状況

岩木川の主な洪水被災状況

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