ワークショップ (H13.5〜9)

■ビオトープづくりワークショップ Workshop

 ワークショップ」とは、いろいろな立場の人が集まってみんなで行われる「ものづくり」のことをいいます。

 メダカ対策検討懇談会において、メダカ保全対策の一つとしてビオトープの整備が提案されました。そこで、メダカ保全対策を多くの人に認知してもらうのと同時に公共事業の透明性や地域との連携強化を図る事を目標として、ワークショップ形式によるビオトープづくりのコンセプトとデザイン案の作成を行いました。ワークショップは毎月一回程度(5月〜9月)、計4回行いました。




第1回(H12.5開催)
 
 「青森環状道路事業と青森平野の自然について知る」
  • 挨拶、ワークショップの主旨説明、事業の概要
  • ワークショップの進め方、今後のスケジュール
  • ビオトープ施設の前提条件等の説明
  • メダカの生活および周辺の自然環境について
  • 現地見学
  • グループ討議および全体討議
  • 第2回(H12.6開催)
     
     「対象域と地域の係わりを知る」
  • 農業の実情など地元の方のお話
  • 現地見学会
    (再度、ビオトープ予定地周辺を見学し、メダカや水路、その他周辺状況を詳しく見る)
  • グループ討議および全体討議
    (気が付いた事、思った事等を地図に貼り付け、情報マップづくりをおこなう)
  • 第3回(H12.8開催)
     
     「基本方針を立てる」
  • メダカを指標としたビオトープの必要条件やその後の管理等についての学習
  • グループ討議及び全体討議
    (重点事項の整理、どの様なビオトープにするかアイデアを出し、基本方針とコンセプトワード)
  • 第4回(H12.9開催)
     
     「対象域の将来を描き、デザイン案を作成する」
  • 水路モデル実験の経過紹介
  • グループ討議および全体討議
    (ビオトープの具体的なプランづくり、デザインの絞り込み、総まとめ)
  • ビオトープデザイン案の発表
  • その他
    (感想、今後の取り組みについて等)


  • ■ワークショップ・グループ案のまとめ

     ワークショップにおいて各グループから提出された、グループ案についてそれぞれ比較検討を行いました。
     その結果、下記表に示す採用方針をとり、最終的なビオトープデザイン案を作成することにしました。

     Aグループ案を見る
     Bグループ案を見る
     Cグループ案を見る

    大項目 小項目 事務局採用方針(案)
    1.コンセプト
     (利用目的)
    タイトル ビオトープの名前を公募する
    ・基本コンセプト ・自然体験・教育の場と位置づける
    ・水に入って利用する
    ・PRを意識する
    ・保全区域を設ける
    ・周囲の水田との連続性を確保する
    2.土地利用
     (ゾーニング)
    ・利用域
    ・保全域
    ・エントランス
    ・基本的に各グループとも同様の配置と考えられる
    ・エントランス、利用域と保全域のバランス比から、A、Bグループ案とする
    3.形状 ・水域形状
    ・水の流路
    ・井戸の位置

    ・基本は池型とし、保全区域部分を湿地状にする
    ・井戸の位置はどちらでも良いが、自然勾配に沿って水を流す方向で考える
    ・水際線は自然な形とし、木杭、飛び石等の位置でメダカの形を表現する
    ・具体の形状は事務局案参照

    4.主な仕組み
     (システム)
    ・水の流し方
    ・メダカの生息場所
    ・井戸からの水は蛇腹式の水路で温度調節を行うものとする。
    ・現地盤の勾配を利用して水を流す
    ・排水は現況用水路付近
    ・施設については必要なメンテナンスを行う
    5.細部の要素
     (パーツ)
    ・エントランス ・メダカの生態、構造条件、景観、維持管理費用等に照らし合わせ、問題のないものについては積極的に採用する方針とする。
    <現段階での採用案>
    ・説明板、学習看板を設置
    ・池には浅場を設け水に入れるようにする
    ・池内に木杭・木道等を設置
    ・ビオトープ周囲はバリア目的の植樹
    ・保全域と利用域は樹木、ブッシュ等のバリアにより区分する
    ・繁殖用の浅場、越冬用の深場を設ける
    ・ビオトープ内の植物は基本的に周囲から移植する
    ・利用域
    ・保全域
    ・その他



    ■メダカビオトープデザイン案

     ワークショップにおける各グループ案をとりまとめ、下図のようなビオトープデザイン案を提案しました。
     以下はデザイン案を補足する条件の一覧です。
     ビオトープの詳細設計については、下記の条件に留意して進める必要があります。

    水量調節
      池・水路の容積を算出した後、必要な井戸水の供給量を求め、給水計画を立てるものとします。
    漏水防止
      道路盛土への水の浸み出しを防ぐため、ビオトープ用地の下に吸出し防止材・遮水シートなどを敷設します。
    排水路
      排水路前後での排水機能調節のため、角落としを設けます。
    植栽
      植栽する植物は原則的に現地に生息している植物種とするが、最外郭のバリア的な植栽については、道路緑化計画で選定する樹種に従う。
    安全対策
      ビオトープの外周は、安全対策のため必要に応じて防護柵等を敷設する。


    ビオトープ計画平面図(案)

    Aグループデザイン案
    Aグループデザイン案
    Bグループデザイン案
    Bグループデザイン案
    Cグループデザイン案
    Cグループデザイン案



    ■ビオトープに植栽する樹木の選定

     ビオトープに植裁する木本、草本、水草等は、当該地域に自生する植物を植裁することを原則とします。そこで数種の樹種を候補として出してみました。ビオトープに植裁する樹種については、基本的にこれらの中から選定する方針とします。

     植裁候補種を見る



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