建築物の保全とは
 
1.保全の概念
 
 「保全」とは、建築物等が完成してから取り壊されるまでの間、建築物等の性能や機能を良好な状態に保つほか、社会・経済的に必要とされる性能・機能を確保し、保持し続けることをいいます。
 
 
 建築物等に必要とされる性能・機能を確保し、保持し続けるため、具体的には、補修、修繕、改修の
ほか、保守、運転・監視、警備、清掃、植栽管理等を適切かつ効率的に行うことが必要になります。
 
 
2.国家機関の建築物等の保全の目標
 
 国家機関の建築物等は、災害を防除し、公衆の利便と公務の能率増進を図るものとして建設されています。
 同時に、長期にわたり活用できる耐用性を有していること、適切な経費で効率的な維持管理ができること、省エネルギー化や温室効果ガスの排出削減が図られていることなどの社会的・経済的なニーズにも対応することが求められています。
 国家機関の建築物等を良質なストックとして長期間にわたり有効に活用するために、保全関連施策として4つの目標を定め、適切な保全の推進に取り組んでいます。
目標1  安全性及び執務環境の確保
        ○日常や災害時における安全性の確保
          ・日常の保全、定期点検や支障がない状態の確認。
          ・必要な補修等の実施。
        ○建築物の機能を良好かつ長期的に維持
          ・建築物の使用の条件の遵守。
        ○適切な執務環境の確保
          ・室内環境等の点検・検査、必要な清掃等の実施。
目標2  ストックの長期的耐用性の確保
        ○建築物の耐久性の確保
          ・保全の体制の整備、保全計画の作成
          ・劣化部分の補修等を計画的に実施し、その記録を整備。
                       「長寿命化・老朽化対策(国土交通省HP)
                       「インフラ長寿命化基本計画」(国土交通省HP)
                       「国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)」(国土交通省HP)
 
目標3  ライフサイクルコストの低減
        ○長寿命化の促進
          ・日常的な保全や定期的な補修
        ○維持管理コストの低減、ライフサイクルコストの低減
          ・予防的な保全、計画的な修繕
 
目標4  環境負荷の低減
        ○運用段階でのエネルギー使用量の縮減、環境負荷低減
          ・光熱水費等のエネルギー使用量等の把握。
          ・設備機器等の適正な運用管理の徹底。
                       「環境対策」(国土交通省HP)
 

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