スプリンクラー設備の地震被害

 地震によるスプリンクラー設備への被害が発生しています。その被害の状況や、管理上の注意点などは以下のとおりです。

1.被害状況
 スプリンクラーの直下に設置された移動書架が、地震の衝撃によりスプリンクラーヘッドを直撃し破壊。散水により室内が水損した。
 

2.スプリンクラーの役割と構造
 スプリンクラー設備とは、火災時自動的に水を噴出させる消火設備です。天井面などに取り付けられたヘッドが熱せられると、水に栓をしている火溶片が溶け散水されます。

スプリンクラーアップ写真

3.スプリンクラー設備の設置対象
 消防法により集客施設、宿泊所、病院の用途の施設や、地上11階以上の建物(一般に条例で、床面の高さが地盤面から31mを超える階に設置されるよう、規定されている。)に設置が必要です。
 

4.書架・物品等の設置における注意

  •  スプリンクラー設備が有効に機能するよう、ヘッド周辺にはスペースが必要です。消防法施行規則13条の2により、デフレクター下方45p、水平距離30p以上の空間を確保しなければなりません。(図2参照)
  •  書架等については、転倒等に対する安全対策が必要です。
  •  地震等により大きな力が働いた場合、非固定の物品等はバウンド、転倒、移動など予想外の動きをするので注意が必要です。
  •  日頃より、職員に対しても注意喚起が必要です。
説明図


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