身近な川を通して海に流れ出る「ゴミ」が、地球環境に大きな影響を与えています。この「最上川2003ゴミマップ」は、その実態を多くの方々に知ってもらうことを目的に作成したものです。
一方、山形県には多くの「美しい」もの、すばらしい自然やおいしい水、食べ物があります。
その様子を「最上川流域絵図」として、画家の村松昭さんが描いてくれました。
本来あるべき姿の最上川や山形を想い、いつの日か再び取り戻したいと……。


 回収されない農業用のプラスチック(塩化ビニル、ポリエチレンフィルムなど)は、年間約1,700トン近くあると推定されています。これらの一部が、身近な川を通して日本海へ流れ出ているのです。また、1,700トンがすべて厚さ0.1ミリメートルのポリエチレンフィルムの製品とした場合、それで覆われる面積は約18平方キロメートルに達し、これは高畠町の全面積の1割に相当します。

※推定排出量は、隔年調査(農林水産省)
※共同回収量は、市町村農業用使用済みプラスチック推進協議会で回収した量

湯野浜海岸の様子
写真は、鶴岡市の湯野浜海岸です。飛島と同様に、海外から漂着したゴミに混じって、国内のゴミも見られます。〈2002年11月4日撮影〉
 家のまわりを見て歩くと、タバコの吸殻、ペットボトルやレジ(プラスチック)袋などがよく落ちています。これらの「散乱ゴミ」は、用水路や川を下り、やがて日本海へ流れ出ていきます。
 散乱ゴミの多くは、自然のなかではなかなか分解しないプラスチックの製品です。海の生き物たちが誤って飲んだり、体にからまったりして命が奪われることが起きています。海岸に漂着したゴミの6〜8割が内陸の川から流れ出たものと考えられています。私たちの暮らしの中から出たゴミが、いまや地球全体の海の汚染につながっているのです。

太平洋上のミッドウェイ環礁周辺には、日本から出たゴミが多く漂着しています。

写真提供:クリーンアップ全国事務局
海鳥が誤飲したプラスチックゴミ
日本から海に流れ出たプラスチックゴミの多くは、太平洋の赤道近くに集まると言われています。写真は、ミッドウェイ環礁のコアホウドリの雛3羽分の死体から出てきたプラスチックゴミです。容器のフタ、歯ブラシや釣り用の浮き、使い捨てライターなど様々です。


ミッドウェイ環礁のコアホウドリ
写真提供:クリーンアップ全国事務局
キタオットセイ
写真は、首にプラスチックの漁網が引っかかってしまい、取れずに苦しむキタオットセイの姿です。
写真提供:クリーンアップ全国事務局
海鳥の胃の中
写真は、死んだ海鳥の胃を開いたものです。細かなプラスチックゴミでいっぱいです。
写真提供:クリーンアップ全国事務局

2001年の県調査による地域人口をそれぞれの地域の面積で割った、1平方キロメートルあたりの住民の人数です。 農業用に使う塩化ビニルフィルムなどのプラスチック製品のうち、使用済みとなって関係者により回収された量(トン)です。(2001年度の県調査) 1999年の県調査による、コンビニエンスストアを含む飲食料品を中心とした小売店舗の数です。
2000年度におけるゴミの処理量を、その区域内の人口で割った1人・1日あたりの量(グラム)です。(一般廃棄物処理事業実態調査の山形県独自集計結果2002年版より) 2002年度に県がまとめた生活排水の処理対策の状況です。処理しなければならない区域の人口に対して、公共下水道や合併処理浄化槽などの処理対策が、どこまで整ったかを「普及率」として表したものです。



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※ゴミの状況の表示方法等については、今後更に改善した上で、改訂版として提供できるように検討作業を進めていきます。ご意見等ありましたらお寄せ下さい。
 
制 作 国土交通省東北地方整備局山形河川国道事務所/美しい山形・最上川フォーラム/山形県文化環境部文化振興課/山形県土木部河川課/特定非営利活動法人パートナーシップオフィス
発行日 2003年4月1日 発行
発 行 特定非営利活動法人パートナーシップオフィス 〒998-0063 山形県酒田市南新町2-3-22 TEL.0234-26-2381
編 集 有限会社バナナエージェンシー
協 力 国土交通省東北地方整備局酒田河川国道事務所/国土交通省東北地方整備局新庄河川事務所/山形県文化環境部環境整備課/山形県各総合支庁環境課及び河川砂防課/浅香憲一、今野吉一、佐藤千佳夫、土門敦/クリーンアップ全国事務局


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