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汚濁要因
湖内水質 流入河川水質と負荷量

小川原湖のCOD負荷量収支をみると、総流入3200t/年に対して総流出の方が3538t/年と多いです。
これは湖内でCOD成分である植物プランクトンが増殖するためと考えられます。
流入負荷量のバランスからは、河川流入による負荷影響が大きいことがわかります。
流域での下水道整備の遅れや畜産による排水影響などが主な原因として考えられています。


CODの負荷量収支(平成9年の例)

小川原湖の総窒素(T-N)負荷量収支をみると、総流入1303t/年に対して総流出の方が739t/年と少ないです。
これは、栄養である窒素が植物プランクトンに摂取され、湖内に蓄積されているためと考えられます。
流入負荷量のバランスからは、河川流入による負荷影響が大きいことがわかります。
流域での下水道整備の遅れや畜産による排水影響などが主な原因として考えられています。


T-Nの負荷量収支(平成9年の例)

小川原湖の総リン(T-P)負荷量収支をみると、総流入64t/年に対して総流出は26t/年と少ないです。
これは、栄養であるリンが植物プランクトンに摂取され、湖内に蓄積されているためと考えられます。
流入負荷量のバランスからは、底泥からの溶出等による負荷影響が大きいことがわかります。
高塩分層や底泥の中に貯蓄されたリン溶出(混合)されることが主な原因として考えられています。


T-Pの負荷量収支(平成9年の例)

成層形成期には、水温躍層下部で有機物の分解によるDOの低下が生じています。
風による一時的な鉛直混合が生じると低DO水塊や高濃度の有機物・栄養塩が上層に供給される場合があります。
一方、循環期には水温躍層が消滅していることから、全層混合による高塩分層からの高濃度有機物・栄養塩が上層に供給されます。




成層構造と湖内水質の関係

高塩分層(下層)とその上の層の容積比率をみると、高塩分層は全体の4%程度と非常に小さいことがわかります。

高塩分層とその上層との容積比率

高塩分層(下層)とその上の層での窒素リンの存在量をみると、窒素が全体の10〜20%、リンが全体の40〜45%存在しています。
高塩分層の容積は全体の4%程度であり、この中に非常にたくさんの窒素リンが存在していることがわかります。
湖内栄養塩の存在状況(平成10年度の例)

日付 水 域 T−N(t) T−P(t)
平成10年8月 TP-18mより
上層(V
549.3
(81.8%)
14.4
(59.8%)
TP-18mより
下層(V
72.6
(18.2%)
9.7
(40.2%)
合 計 671.9
(100.0%)
24.1
(100.0%)
平成10年9月 TP-18mより
上層(V
573.5
(89.3%)
10.7
(54.0%)
TP-18mより
下層(V
69.0
(10.7%)
9.1
(46.2%)
合 計 643.3
(100.0%)
19.8
(100.0%)

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高瀬川河川事務所