小川原湖には水鳥が主体ですが、仏沼も含めると、それ以外の様々な鳥が集まっています。
世界に2千羽といわれているオオセッカという鳥は、そのうち6、700羽がここで生 |
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NPO法人おおせっからんど理事
日本野鳥の会三沢支部会長
県立三沢高校教諭
津曲隆信さん |
活し、繁殖しています。
しかしアシ原は遷移の途中にあり、ある程度管理していかないと、乾いて草原に変わっていきます。そのため、地元改良区の人々が管理し、状態をずっと保っているのが、オオセッカがいつまでもここで繁殖している一つのポイントだと思います。
また日本では六ヶ所湖沼群でしか確認されていなかった、カンムリカイツブリのヒナが今年羽化しました。これらが小川原湖の中で生息することができると言うことは、湖全体を見ても、非常に貴重で豊かな生態系があると言うことを証明するのではないかと思います。 |
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小川原湖には多種多様な生態系が存在しますが、その大本は、小川原湖に塩水が侵入していることが一つの理由だと考えています。ほとんどの場 |
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八戸高専建設環境工学科助教授
藤原広和さん |
合、上流河川からの流入によって水位の上下を繰り返しています。その水位が比較的低いときに海の水位は潮汐によって変動し、それが大潮や満潮時に小川原湖の水面より高くなり、海水が侵入してくるしくみです。
小川原湖の最大水深は25メートルですが、毎年ほぼ水深18メートル以下では海水の1/3位の塩分濃度です。このように非常に微妙なバランスでここの塩分濃度がたもたれており、18メートル以上の表面付近では、非常に塩分濃度が薄く、小川原湖は低塩分の汽水湖であると言えます。
海水がうまく入り淡水と混ざって、いつも同じ濃度で小川原湖が維持されているというのは、やはり高瀬川の河道の管理が重要だと言えます。 |
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東京で行われた高瀬川に関する河川整備基本方針を決める会議に出席した際、まず感じたことは、高瀬川、小川原湖の環境の豊かさについては、中央の委員会でも非常に重視して |
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河川整備基本方針小委員会専門委員
光星学院八戸短期大学客員教授
三村三千代さん |
いると言うことでした。さらにもう一つ感じたことは、今の豊かな環境が当たり前だと思ってしまう事の危険性です。それは小川原湖の富栄養化も進んでおり、水質についても考えなければいけないというようなことを、自分のこととして真剣に考えなければいけない時期にあるのだろうと思いました。委員会では、高瀬川と小川原湖だけでなく、周辺の湖沼群一帯を含めて豊かな環境を維持していることを忘れないでもらいたいという指摘がありました。手を加えないで保っておくのではなく、人間の手を加えつつ、人間といい関係を保ちつつ、この豊かな環境を次世代に引き継ぐことが一番求められていると思います。 |
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