砂浜に関する質問
【質問1】

砂浜はいつごろから消え始めたの? どうして消えちゃったの?

【答え1】

《いつごろから》

仙台湾南部海岸では1980年代から砂浜が小さくなったり、なくなったりしています。地元の方によると、昭和40年(1965年)ごろから砂浜は小さくなり始めていたということです。
昭和38年(1963年)から平成11年(1999年)の海岸線の変化(111KB)

《なぜ》

仙台湾南部海岸には、私たちの生活に欠かせない港を高波(たかなみ)などから守ってくれる防波堤(ぼうはてい)や、川から海にスムーズに水を流して私たちのまちを水害から守ってくれる導流堤(どうりゅうてい)などがあります。これらはとても大切な働きをしている施設ですが、一方では海の中を移動する砂をせき止めてしまうので、海岸に砂がたまりにくく、なくなりやすいところができてしまいます。
このような場所では、波によって砂浜がけずられていき、だんだん砂浜が小さくなり、やがて砂浜がなくなってしまいます。
また、河川からの土砂供給(どしゃきょうきゅう)や福島県側からの砂の供給量が少なくなってきている事も砂浜が小さくなったり、消えてしまった原因の1つになってます。


磯浜漁港(防波堤)


鳥の海(導流堤)


【質問2】

砂浜は海まで何メートルあるの? 昔は何メートルあったの?

【答え2】

山元海岸では、昭和40年(1965年)ごろには幅が平均で50m、場所によっては150mほどの砂浜がありましたが、現在では全くない場所(磯浜漁港の北側など)もあります。
また、蒲崎海岸でも昭和40年(1965年)ごろには100mほどあったものが、現在では50mほどにまでせまくなっています。


【質問3】

消えた砂浜(砂)は、どこに行くの?

【答え3】

次のようになっていると考えられています。

(1)岬(みさき)や防波堤(ぼうはてい)のところにたまっている

流れた砂は、海岸線から張り出している場所(岬(みさき)、防波堤(ぼうはてい)など)の手前にたまります。


(2)港や河口(かこう、川と海が合流する所)で掘り取られる

港の中に砂がたまると、船が入れなくなってしまうので、船が入れるように港の中の砂を掘り取っています。これを浚渫(しゅんせつ)と言います。同じように、川の河口(かこう)付近でも水が海へ流れやすくするために、浚渫しています。
浚渫された砂は数十km先の沖に船で運ばれたり、陸に上げられて利用したりしています。


(3)仙台湾沿岸(えんがん)で沖に流れていく

仙台湾南部海岸の沿岸を移動した砂は、仙台港付近が終点となります。
ただし、この付近(阿武隈川から仙台港にかけて)の海の底は、他と比べて急な地形になっているので、たどり着いた砂は波打ちぎわに止まることができず、急な地形をすべり落ちてしまうように沖へ流れていくと考えられています。

【質問4】

どうして砂浜が必要なの?
砂浜がなくなったら、人の生活や海の生き物、環境はどうなるの?

【答え4】

《人の生活》

・台風などが来たときに波が堤防(ていぼう)を越えやすくなり、家や田畑が水につかってしまう危険性が高くなります。
・今までいた魚や貝がとれなくなってしまいます。
・海水浴や砂浜で遊ぶことができなくなります。
・景色がわるくなります。


《海の生き物、環境》

・砂浜がなくなってしまうと、海辺の空間そのものが消えてしまいます。
・砂浜や静かな水辺にすむ動植物がいなくなります。また、水辺にいた動植物を食べていた動物もいなくなってしまいます。

【質問5】

今、砂浜はどのくらい減ってるの?

【答え5】

中浜海岸は、ほとんどの砂浜がなくなってしまいました。笠野海岸も南側で30mほどなくなっています。




ヘッドランドに関する質問
【質問6】

ヘッドランドは何でできていて、海の中にどうやってつくるの?
つくるのに何日かかるの? いくらぐらいかかるの?

【答え6】

《材料》

大きな石や、コンクリートでつくられた消波(しょうは)ブロックを組み合わせてできています。
海の環境をこわさないように、できるだけ自然の石を使うようにしています。

 


《工事方法》

@トラックとバックホウで海の中に土台となる石を積んで、ヘッドランドを長くしていきます。


Aヘッドランドの先(沖側)にクレーンを使って消波(しょうは)ブロックをならべます。


B沖側から陸側へ移動しながらバックホウで石を積み上げ、形をととのえます。


Cその上に、クレーンを使ってきれいに保護(ほご)ブロックをならべます。



消波ブロック(重さ約20トン)を持ち上げるクローラクレーン(高さ約60m)


《工事期間》

ヘッドランド一基あたり、のべ2〜3年間かかります。


《お金》

ヘッドランド一基あたりおよそ18億円になります。

【質問7】

ヘッドランドでどうやって砂浜を守るの?

【答え7】

ヘッドランドをつくることによって、海岸にそった方向の流れをおそくし、流れている砂をためやすくして砂浜を守ります。


笠野海岸のイメージ図

【質問8】

ヘッドランドはいつごろからつくられるようになったの?
仙台湾南部海岸では、いつからつくっているの?

【答え8】

「ヘッドランド」は、昭和62年(1987年)に国土交通省(旧建設省)の宇多高明さんたちによって、上の質問7の絵にあるような形のものが考えられました。

仙台湾南部海岸では、平成8年(1996年)からヘッドランドをつくっています。

【質問9】

ヘッドランドは、何個あるの?

【答え9】

将来的には、仙台湾南部海岸全体で24基つくられます。今できているものは、まだ半分の長さしかありません(200mに延ばす予定です)。

できているもの つくる予定のもの
仙台湾南部海岸合計
(仙台市〜山元町)
8(ただし、長さは100m) 19(国土交通省)
5(宮城県)
日  本  全  国 161
(平成14年度(2002年度)末現在)

【質問10】

ヘッドランドの長さや幅(はば)は、どのくらいあるの?

【答え10】

仙台湾南部海岸でつくられるヘッドランドは、将来的には長さ200mになるように計画されています。今つくっているのは、その途中までの100mです。
幅は、「T」字のたての部分で10〜50mくらい、海面に出ている「T」字のよこの部分で150m以上あります(海の下にかくれている部分もあるので、全体ではもっと長くなっています)。


【質問11】

どうしてヘッドランドっていうの?

【答え11】

「ヘッドランド」は、「岬(みさき)」といった意味の英語です。

【質問12】

ヘッドランドは、何メートルごとにつくるの?

【答え12】

山元海岸では、はじめに1kmおきにつくった後に、その間に同じものをつくっていきます。つまり、将来的には500mおきにヘッドランドがつくられることになります。
また、蒲崎海岸では、1kmおきにつくる予定です。

【質問13】

ヘッドランドは、だれがつくっているの?

【答え13】

山元海岸では、平成8年(1996年)から宮城県がヘッドランドをつくりはじめました。中浜海岸・笠野海岸は特に砂浜が少なくなっているので、平成12年(2000年)から国土交通省がヘッドランドをつくっています。

【質問14】

ヘッドランドのほかに、砂浜を守る方法はあるの?

【答え14】

砂浜を守る方法はいろいろありますが、仙台湾南部海岸では、ヘッドランドや離岸堤(りがんてい)、サンドバイパスなどを組み合わせて砂浜を守っています。
砂浜を守る主な方法として、次のようなものがあります。


(1)砂の流れを止める方法

・突堤(とってい)工法
突堤は、陸から沖に向かって細長くつき出した施設をつくって、海岸にそった砂の流れを止める方法です。



・ヘッドランド工法
突堤の先によこぼうをつけて「T」型にしたものです。突堤よりも砂浜を守る効果が高いものです。


(2)砂を運ぶ方法

・サンドバイパス
流れが防波堤(ぼうはてい)にぶつかるところに砂がたまり、その先の砂浜がなくなってしまいます。そこで、たまった砂をなくなってしまったところへ人工的に移動させる方法をサンドバイパスといいます。



・サンドリサイクル
川やダム、港の中などにたまった土砂を掘り取り、砂浜がなくなってしまった場所まで運んで使う方法をサンドリサイクルといいます。

サンドバイパスやサンドリサイクルは、“養浜(ようひん)”といって、ヘッドランド工法などと組み合わせることによって、効果的に砂浜を守ることができます。


(3)砂を部分的に流れにくくする方法

・離岸堤(りがんてい)
離岸堤は、沖に海岸線とほぼ平行に消波(しょうは)ブロックなどをつんだ防波堤(ぼうはてい)です。この防波堤で波をおだやかにして、砂が流れ出すのをふせぎます。


・人工リーフ
熱帯地方のサンゴ礁(しょう)は、岸のそばに幅広い浅瀬(あさせ、リーフ)をつくります。波はそのリーフにぶつかって小さな波となって、砂浜がなくなりにくくなります。人工リーフは、その仕組みをまねてコンクリートブロックなどで人工的につくった浅瀬のことです。海の下にかくれるところが離岸堤(りがんてい)と異なります。



(4)海岸線を直接守る方法

・消波(しょうは)ブロック
波を消すためにコンクリートブロックをならべて、砂浜がなくならないように守る方法です。

 

【質問15】

ヘッドランドは、波でこわれないの?


【答え15】

30年に1度おそってくると考えられる大波にも耐えられるようにつくっています。ただし、それ以上に強い大波におそわれるとこわれてしまう可能性があります。

【質問16】

海に砂を運ぶだけでは、守れないの?


【答え16】

砂を運ぶ(サンドバイパスやサンドリサイクル)だけで、問題を解決することはたいへんむずかしいことです。
なぜなら、毎年、ダンプトラックで何千〜何十万台分のとても多くの砂を、ずっと運び続ける必要がありますし、運ぶためには多くのお金が必要となるからです。
また、砂を止める施設がなければ、せっかく運び入れても、入れているそばからどんどん沖へ流れ出してしまい、せっかくの努力が水の泡になってしまいます。
そこで、ヘッドランドや離岸堤(りがんてい)などの工法を組み合わせて、砂浜を守っています。

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