天然の大アユが生息することで遠く首都圏方面 からも太公望が訪れる米代川では、現在アユが産卵の時期を迎えています。そこで、国土交通省能代河川国道事務所では、さる平成13年10月6日〜8日に今季2回目のアユの産卵実態調査を行いました。
 米代川のアユの産卵床は、沿川の漁業協同組合関係者からの聞き込み情報によると、河口からの距離標で17km付近(二ツ井町)から63km(大館市)付近までの区間に、十数カ所が存在するとされています。今回の調査は、これら聞き込み情報も参考にしながら、個々の産卵床の範囲を把握し、代表的なところは卵数、産卵地点付近での流速、水深といった水理条件等を調査、観察し、その実態を定量 的に把握するものです。
 10月6日〜8日に行われたアユの産卵実態調査には、米代川リバーカウンセラーの堺茂樹氏と、河川水辺の国勢調査アドバイザー(魚介類)の杉山秀樹氏にも同行していただき、調査、観察方法等に対するアドバイスをいただきながら行いました。調査中に漁協関係者が巡視で通 りかかったので、産卵床の場所について、現況を聞き込みしました。
 調査方法は、産卵場所を25m×25mのブロックに分割し、その1ブロックでの任意のコドラート(30×30cm調査範囲)内で、川底の砂や礫を採取し、直径1mm程度の「卵」が付着している砂、礫を仕分けし、卵を一つずつ数えるものです。この作業を10数回繰り返し行い、産卵床全体の範囲や卵数を推定するといった手間と時間がかかるものでしたが、二ツ井町悪戸地域(河口から22km付近)の調査では1コドラートで500〜3000粒程度の「卵」が確認されました。
  米代川でのアユの産卵時期は、概ね9月下旬から10月下旬までといわれていますが、今後とも同様の調査を実施し、アユの産卵実態について定量 的に把握していくこととしています。


産卵床を計測中

調査について打合せ
(一番左:杉山氏、黄色服:堺氏)


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