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水質保全

水質保全

三春ダムの水質は?

さくら湖では、水温が上昇する夏期になると植物プランクトンアオコ)が発生し、水質が悪化する場合があります。この水質を改善するには、流域内での下水道の整備などが必要ですが、実施されるまで長い時間がかかります。そこで、三春ダムでは植物プランクトンの増殖を抑制し、良好な水質を確保するためにさまざまな取り組みを行っています。

図1.png

水質保全の取り組み

前貯水池

前貯水池で、植物プランクトンの栄養源となる成分(窒素リン)を沈め、さくら湖に栄養源が入りにくくしています。

流入水バイパス管

植物プランクトンの栄養源(窒素リン)を多く含んだ流入水をさくら湖に入れないで、直接下流に流すことができます。

浅層循環

植物プランクトンは、光と温度で増殖します。三春ダムでは、10~20mの水深から空気を吹き上げて、水面の温かい水と低い温度の水をかき混ぜて水温を下げます。また、かき混ぜることで水面の植物プランクトンを光のあたりにくい水中に沈め増殖を抑制しています。

図3.png

流動制御

浅層循環設備から任意の高さで散気する事により、水温躍層(変温層)の位置を選択取水設備や常用洪水吐の位置に合わせるようにします。これにより表層高水温域と深層低水温域は温度差により水密度(比重)が異なる水となります。一般的に出水により貯水池内に流入してくる泥水は、表層より重く、深層より軽い水密度で流入してくるため、変温層に流入してくる事となります。変温層の位置は、選択取水設備の位置となっているため、貯水池内は濁る事なく、濁質(栄養)を堤外に排出出来るのです。この一連のシステムを流動制御と呼んでいます。

水温躍層とは、貯水池内で日射によりあたためられた温水域(表層)と日射にされされない低温域(下層)の部分であり、大きく水温変化する層の事。

窒素とリンについて

三春ダム流域には、約31,000の人々が暮らし、流域の奥まで田畑が広がったダム流域として比較的開発の進んだ地域です。このような地域を流れてくる大滝根川には、生活排水や畜産排水の一部が流れ込んでしまい、その中には窒素リンが多く含まれています。

窒素リンは、植物プランクトンが繁殖するために必要な栄養素の一つで、貯水池へ多く流入すると植物プランクトンが異常繁殖しやすい環境になります。そして貯水池の水温が高くなる夏季には、藍藻類が大量に発生して水面を覆う「アオコ」の原因の一つとなります。

用語集でダム用語について詳しい内容を見ることができます。

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