環境に配慮した地域づくり|伝統工法

 

伝統工法は、それぞれの川の特性、特徴に合わせて独自に発達していますが、共通している点は、使用する材料がそれぞれの地域で手に入りやすい粗朶、竹、柳、石材などの自然素材を活用するとともに、材料となる樹木の伐採により地域の「里山」や「鎮守の森」を守り育むなどの知恵と工夫をこらしている点です。
先人の知恵に培われた「伝統工法」を学び、受け継いで行くことも私たちの使命と考えています。
粗朶沈床(そだちんしょう)

大切に維持されている里山(粗朶山)
主材料である樹木の伐採により、産地である「里山」を育む効果があります。
柔軟性に富んでおり、砂河床の変化に対応します。
素材間の隙間が多様なため、魚類などの生息場所として利用されます。

粗朶沈床の基礎知識

粗朶沈床の組立


粗朶沈床の据え付け

粗朶沈床の構造
木工沈床工(もっこうちんしょう)

木工沈床の施工状況
主材料が丸太であるため、やや速い流れに対しても河床を守ることが出来ます。
丸太と石材の組合わせであるため、粗朶沈床に比べやや柔軟性に劣ります。
素材間の隙間が多様なため、魚類などの生息場所として利用されます。

木工沈床の基礎知識


木工沈床の構造
連柴柵工(れんさいさくこう)

連柴柵工の施工後3年

大河川から小河川まで、河岸の保護に広く利用されています。
主材料にヤナギを使用しており、水際にヤナギの河畔林が生育します。

連柴柵工の基礎知識

連柴柵工の構造
伝統的治水工法を採用した工事
番号 水系名 工事名 地先名 伝統工法名 単位 数  量
1 阿武隈川 笹原川左岸地区工事 福島県郡山市 木工沈床 m2 660
2 阿武隈川 押分低水護岸工事 宮城県岩沼市 粗朶沈床 m2 4,100
3 北上川 北上地区護岸工事 岩手県北上市 粗朶柵 m2 600
4 北上川 小舟渡地区護岸工事 岩手県花巻市 粗朶柵 m2 330
5 北上川 西下台護岸工事 岩手県盛岡市 木工沈床 m2 1,500
6 北上川 館向護岸工事 岩手県盛岡市 木工沈床 m2 780
7 北上川 北上大堰災害復旧工事 宮城県河北町 粗朶沈床 m2 18,000
8 馬淵川 鰻苗代護岸工事 青森県八戸市 木工沈床 m2 1,500
粗朶柵 m2 473
9 馬淵川 尻内河原護岸工事 青森県八戸市 柳枝工 m2 1,727
10 馬淵川 前河原護岸工事 青森県八戸市 粗朶柵工 m2 265
11 雄物川 雄物川上流環境護岸工事 秋田県大曲市 粗朶沈床 m2 420
木工沈床 m2 360
12 雄物川 藤木護岸工事 秋田県大曲市 木工沈床 m2 1,200
13 雄物川 今宿護岸工事 秋田県雄物川町 木工沈床 m2 1,200
14 雄物川 下袋環境護岸工事 西仙北町 粗朶沈床 m2 420
15 雄物川 角間川環境護岸工事 秋田県大曲市 粗朶沈床 m2 600
16 雄物川 大保護岸工事 秋田県大曲市 木工沈床 m2 980
17 最上川 大久保第二護岸工事 山形県河北町 粗朶柵 m2 2,480
粗朶沈床 m2 2,000
18 最上川 糠野目護岸 山形県高畠町 粗朶柵 m2 750
19 最上川 今泉護岸 山形県長井市 粗朶柵 m2 1,180
20 最上川 川前護岸工事 山形県大石田町 木工沈床 m2 790
21 最上川 豊田護岸工事 山形県大石田町 木工沈床 m2 200
伝統的治水工法を採用する予定の工事
番号 河川名 工事名 地先名 伝統工法名 単位 数  量
1 阿武隈川 川原地区工事 福島県郡山市 栗石粗朶工 m2 830
2 北上川 下清水護岸工事 岩手県花泉町 木工沈床 m2 1,320
栗石粗朶工 m2 4,300
3 北上川 落合護岸工事 岩手県花泉町 粗朶沈床 m2 1,200
栗石粗朶工 m2 3,340
4 北上川 土手前護岸工事 岩手県水沢市 木工沈床 m2 1,800
木枠詰石工 m2 4,700
5 北上川 大明神下護岸工事 岩手県水沢市 木枠詰石工 m2 2,960
6 北上川 高松護岸工事 岩手県盛岡市 木工沈床 m2 900
7 鳴瀬川 牛飼護岸工事 宮城県小牛田町 木工沈床 m2 800
8 雄物川 花館護岸工事 秋田県大曲市 木工沈床 m2 920