馬留湿地の保全対策について

  胆沢町若柳字馬留の国道397号沿いに位置する馬留湿地の環境について、専門的立場から評価を行い、湿地保全対策についての指導・助言を行うため、「胆沢ダム馬留湿地保全対策検討会」が設立されました。
 馬留湿地は、ミズバショウの群生地と平成5年の集落移転後に湿地化したものからなっています。現地調査を行った結果、多様な植生や貴重な昆虫・両生類の生息が確認され、生物相としても優れた湿地である事が判明しました。
 特にトンボ類においては、馬留湿地全体で10科35種が確認されており、集落移転後に発生した湿地には開放水面、沼地、樹陰等があり、トンボ類の生息環境としてはとても良好であり、オゼイトトンボ、ハラビロトンボ、ハッチョウトンボ等を含め、この湿地だけで7科26種が確認されました。
 この調査結果を踏まえ、同委員会で審議し下記のような保全方策を採ることにしました。
 当事務所では、今後もこのような貴重な自然環境と調和した胆沢ダムの建設を目指していきます。

馬留湿地保全方策
馬留湿地の評価及び保全基本方針を踏まえ、以下のように保全方策を実施するものとする。
1. 馬留湿地内に存在する貴重な湿地環境を有する区域(ミズバショウ群生地、トンボ繁殖地)については、フィルター採取範囲及び土捨場範囲から除外する。
2. 材料(コア材)運搬のためのベルトコンベアのルートについては、上記区域を避けるとともに湿地への水源を分断しないルートとする。
3. 消失が避けられない湿地については、周辺の地形、水源等を考慮し、ミズバショウ群生地の東側に復元する。



 問い合わせ先
 国土交通省 胆沢ダム工事事務所 調査設計課
 電話 0197(46)4711(代表)

 


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