危機段階による救荒食の種類、原料

ひとたび飢饉になると、人々はありとあらゆる物を食べて飢えをしのぐ工夫をします。飢饉は大きく3段階に分けられ、各段階によって食べていたものも異なりますが、現代では、こんなものが食べられるの?といったものもあり、いかに飢饉が苦しいものかが読みとれます。

第1期・初期段階
豊作の年の備蓄などで食いのばしができる状況
農作物 かゆ、ぞうすい(そば、あわ、ひえなどとかぶ、かぼちゃ、じゃがいも、大根・かぶの干し菜など)、かて飯(大根、かぶ、かぼちゃ、じゃがいもなど) 穀類[きらずだんご、きらずもち] 野菜・果物[じゃがいも・かぼちゃ]
山野の植物 木の実[だんごやもち類(なら、かしわなど)] 草の根[わらび、くず、うばゆり] 葉や茎[ふき、うるい、よもぎ、花草(きつねあざみ)、ごぼうけえば、その他大量にとれる山菜]
海草 めのこ飯(めのこ)、わかめがゆ(わかめ)

第2期・中期段階
草の根、笹の実などの自然の食物を主に食べる状況
農作物 穀類[だんごなど(ぬか、ふすまの類)、こうせん(ひえ、あわのしいな)、大豆、小豆の葉、そばの茎葉] 野菜・果樹[かぼちゃ、すいか、ごぼうの葉、里芋の茎、きゅうり、ゆうがおの茎葉]
山野草 木の実[第1期の他、笹の実、とちの実] 草の根[第1期の他、ほどいも、ところ、あまどころ、なるこゆり、やまゆり、おにゆりなど] 葉や茎[第1期の他、こごみ、わらび、うこぎ、のびる、あざみ、ききょう、さいかち、たんぽぽ、はすの茎葉、その他一般山菜類]
海草 第1期の他、その他各種食用海草類
動物 たにし、いなご、かに、しじみ(沿岸)


第3期・末期段階
食べられるものなら何でも食べる状況
農作物 穀類[こうせんなど(大豆のさや、わら)、炒って食べる(稲の若い穂)、挽いてもちとする(稲の根)] 野菜・果樹[梅の葉、桃の葉]
山野草 木の実[うるしの実] 草の根[第1,2期の他、わらびのかす(あも、ささめ)、ところのかす、からすうりの根、ばらの根、かたくり] 葉や茎[第1,2期の他、もちおよびこうせん(松の皮、やどり木、おみなえし、いぬたで)、あけびの芽と花、やまぶきの芽、くるみの花、つつじの花、すぎななど]
海草 第1,2期同様
動物 牛、馬、犬、猫、蛇、かえるなど

「聞き書き 岩手の食事」(社団法人 農山漁村文化協会 発行)より