福島河川国道事務所

福島河川国道事務所の沿革

沿革

 福島県内の中通りを流れ、宮城県亘理郡亘理町荒浜にて太平洋に注ぐ阿武隈川は、これまで年々歳々洪水となり、無数の人畜を害し、田畑を流し、橋を流し、地域住民はその災害になやまされてきた。
 阿武隈川を国の直轄で改修しようとする動きは、1913(大正2)年の大出水を機に進展し、1917(大正6)、1918(大正7)年に調査し、1919(大正8)年に、阿武隈川及び支川荒川を国直轄施行することにして、阿武隈川直轄改修事業の着手となった。
 これにより、内務省仙台土木出張所の翼下に、1919(大正8)年11月17日、阿武隈川改修事務所が創設され、福島市万世町に民家を借り上げ事務所とした。
 1929(昭和4)~1930(昭和5)年に至り、世界恐慌のため社会経済の不況による失業者救済事業として国道改良工事が行われることになり、福島、郡山周辺の国道4号の改築工事を施工することになった。そのため1931(昭和6)年4月、福島市杉妻町の県議会議事堂の一室に福島国道改良事務所が仮設置された。
 また、1933(昭和8)年には、時局匡救土木事業として、国道13号万世大路の改良も施工することになり、福島国道改良事務所を福島市清明町の阿武隈川改修事務所の一室に移した。
 阿武隈川水系の砂防工事は、1900(明治33)年から始められているが、福島市を土砂流出被害から守るため、1936(昭和11)年に荒川流域が直轄砂防事業区域となった。
 

年表

1919(大正8).11.17 阿武隈川直轄改修事業の開始により、内務省仙台土木出張所に、阿武隈川改修事務所を創設。庁舎は福島市万世町。
1920(大正9).4.4 新庁舎が、福島市清明町に完成し、移転。
1931(昭和6).4.11 国道4 号、13号の改築事業施行のため、福島市杉妻町の県議会議事堂の一室に、福島国道改良事務所を仮設置。
1933(昭和8).4.24 万世大路(国道13号)の改築事業施行のため、福島国道改良事務所が阿武隈川河川改修事務所内に併設され、職員の配置転換を実施。
1936(昭和11).7.1 阿武隈川水系荒川流域が、直轄砂防施工区域に編入され、荒川砂防事業の開始により、土湯村(福島市土湯温泉町)に内務省荒川砂防工場を設置。
1937(昭和12).1.15 名称を、阿武隈川上流事務所と改称。
1938(昭和13).8.15 阿武隈川災害復旧事業のため、福島国道改良事務所は一時廃止となる。
1937(昭和13).9.10 名称を、阿武隈川福島改修事務所と改称。
1943(昭和18).4.1 名称を、阿武隈川工事事務所と改称。
1946(昭和21).12.1 荒川砂防工場を事務所内に併置。
1948(昭和23).2.1 名称を、阿武隈川上流工事事務所と改称。
1948(昭和23).10.1 建設省設置法に基づき、各工場は出張所と改称。
1949(昭和24).1.1 荒川砂防工場を、阿武隈川上流工事事務所所管の出張所に統合。
1950(昭和25).11.1 阿武隈川水系松川流域を、直轄砂防施工区域に編入。松川砂防事業の開始により、大笹生村(福島市大笹生)に、松川砂防出張所を設置。
1952(昭和27).5.1 国道4号の改良工事を担当することとなり、建設省東北地方建設局福島工事事務所と改称。
1959(昭和34).8.20 福島市清明町に新庁舎が完成し、移転。
1975(昭和50).8.1 福島市黒岩の現在地に新庁舎が完成し、移転。
1977(昭和52).7.18 阿武隈川水系須川流域を、直轄砂防区域に編入し、須川砂防事業を開始。
2001(平成13).1.6 国土交通省設置法により、国土交通省東北地方整備局福島工事事務所と改称。
2003(平成15).4.1 地方整備局組織規則の改正により、国土交通省東北地方整備局福島河川国道事務所と改称。
2009(平成21).4.1 組織の再編により、荒川砂防出張所と松川砂防出張所が統合され、吾妻山山系砂防出張所と改称。
2017(平成29).4.1 組織の再編により、信夫山国道出張所が廃止され、新たに東北中央道維持出張所を設置。
2019(令和1).11.22 令和元年東日本台風による甚大な被災からの災害復旧を迅速かつ効率的に推進するため、阿武隈川上流緊急治水対策出張所を設置。