(1)都心で暮らす仕組みづくり〜街なか居住〜

○ コレクティブ住宅
 コレクティブ住宅とは、独立した住居部分と食事や団欒の出来る協働の空間を併用した住宅であり、もともとは北欧で生まれた居住スタイルです。わが国では阪神大震災後、神戸市ではじめて公的住宅に取り入れられました。
 コレクティブ住宅は、コミュニティとプライバシーの確保を兼ね備えていることから、単身や夫婦世帯の高齢者に適した集合住宅であり、東北地方においては冬の除雪の問題から、戸建て住宅では不安な高齢者などのための集合住宅として有効な手法であると考えられます。
 神戸市で取り入れられた「真野ふれあい住宅」は、市民参加のワークショップで検討された一般世帯も入居する多世代住宅です。
長崎県本原すこやか住宅   
  連絡先:長崎県 土木部住宅課 095-822-5178
○ コーポラティブ住宅
 コーポラティブ住宅は、協働組合方式によって建設する住宅で、志向を同じくする複数の人が建築組合を設立し、協働して土地の取得や建物の企画設計、建築工事発注当を行い、住宅を取得する方式です。ヨーロッパでは2世紀にわたる歴史があり、旧西ドイツで約100万戸、スウェーデンでは約50万戸の実績があります。
 我が国に登場したのは1968年頃で、最近では建築士や不動産業者等が企画して参加者を募り、企画設計の助言をしたり設計を請け負うケースが多くなっています。
コーポラティブ住宅の実施例
多摩「持続可能な団地づくり」   
  連絡先:NPOフュージョン長池「夢見隊」 042−337−5607
コープ住宅推進協議会関西
  連絡先:特定非営利活動法人コープ住宅推進協議会関西事務局 06-6624-2321 
台原森林公園コーポラティブハウス 
  台原森林公園コーポラティブハウス建設組合 022-267-0052
   
○ スケルトン方式住宅
 スケルトン方式の住宅は、スケルトン(建物を支える構造躯体)を分譲し、インフィル(住宅の間取りや内装)は購入者が自由に決められる方式の集合住宅です。ライフスタイルやライフサイクルに合わせ、多様な使い方が可能であり、寿命の長い住宅の建設も可能となります。
 最近では分譲方式だけではなく、賃貸方式や定期借地権方式を採用することにより、より効率的な活用をすることなども検討されています。
 東北地方のように、都市周辺部、郊外部の地価が比較的安価な地方では、特にニューファミリー層の戸建て住宅の志向が強く、都心部での賃貸住宅は狭隘な面積や高額の家賃のため需要が少ないといわれています。しかし、スケルトン方式を採用することにより、多様なライフスタイルに対応できる都心居住施設の供給が可能となります。
 大阪市のNEXT21は、都市における集合住宅の将来像を検討するための実験住宅であり、スケルトン方式のほか屋上緑化、省エネルギー等の様々な工夫も導入されています。

スケルトン方式住宅の実施例
大阪市「NEXT21」   

  連絡先:大阪ガス株式会社 0120-0-94817(事業本部)
   
○ つくば方式:スケルトン定借方式を採用したコーポラティブ住宅
 旧建設省建築研究所が企画、融資によるつくばハウジング研究会が建設した都市型マンション「メソードつくば」は、建設譲渡特約つき借地権とコーポラティブ住宅を組み合わせた実験住宅で、利用権分譲方式で低価格の供給を実現しました。
スケルトン構造は100年の耐用品質を持たせ、インフィルにより自由設計が可能になるよう大スパン、高階高、逆梁構造を採用しています。
 つくば方式の特徴である建物譲渡特約つき借地権は、建物の所有権が30年で、31年目に地主が建物を買い取り、賃貸契約に変わります。その際、入居者の居住継続権は法律で保証されています。なお、60年目までの賃料は、地代相当額と修繕費を加算した低廉な額であり、61年目以降は近傍類似の賃料になる仕組みです。
つくば方式の事例
スケルトン定借普及センター   
  連絡先:スケルトン定借普及センター 03-3586-5828(本部)

 都心居住を推進するにあたっては、住むだけの住宅ではなく、周辺環境との調和や、「地球環境にやさしい」建設や維持・管理を行うといった視点も大切です。

○ 環境共生住宅
 
環境共生住宅とは、「地球環境を保全する」という観点から、エネルギー・資源・廃棄物などの面で充分な配慮がなされ、周辺の自然環境と親密に美しく調和し、住み手が主体的に関わりながら健康で快適に生活できるような住宅及びその地域環境のことです。
 環境共生住宅のポイントとしては、・地域の生態系や大気など周辺環境への配慮、・省エネ、省資源、・耐久性や機能的ゆとりを確保する長寿命、・環境負荷の少ない材料(エコマテリアル)の採用などがあげられます。
 国土交通省では、環境共生住宅の普及のため、環境共生住宅市街地モデル事業及び環境共生住宅建設推進事業の二つの事業を実施しているほか、住宅金融公庫においても割増融資制度等の活用により「環境共生住宅」の普及を図っています。
 世田谷区の区営住宅では、団地内の建て替え計画を機に世田谷区が居住者とともにワークショップを行い、地球環境の保全、周辺環境との親和性、居住環境の快適性の3点から建設、維持、管理などを検討し、環境共生住宅を建設しました。団地内には、一般世帯の区営住宅70戸のほか、高齢者や障害者に配慮された施設も配置されています。

環境共生住宅の事例
環境共生住宅推進協議会ホームページ      
  連絡先:世田谷区住宅課 :03-5432-1111
   
○ 建物緑化
 近年ではヒートアイランドの抑制や都市内での潤いの確保を目的として、ビルの屋上等を緑化する(屋上庭園)等の建築物の緑化が進められています。近年の施工技術などの向上により、都市内に緑を確保する手法としてあらためて注目を集めています。
 都市内緑化の推進施策として、各自治体では建物緑化の推進を図るための助成制度などの環境整備が進められています。
建物緑化の事例
おおさかのみどりをふやすために
  連絡先:大阪府環境農林水産部 みどり・都市環境室みどり推進課 緑化推進グループ 06-6210-9558
  東京都自然保護条例
    連絡先:東京都環境局自然環境部 03-5388-3539