広瀬川及び名取川の水量減少を補うため～釜房ダムの運用により、名取川水系の河川環境を改善～

広瀬川及び名取川の水量減少を補うため
～釜房ダムの運用により、名取川水系の河川環境を改善～

梅雨明け直後から猛暑が続き、名取川水系広瀬川において、水量が減少しており、仙台河川国道事務所では26日「渇水対策支部（注意体制）」を設置し、27日には名取川水系渇水情報連絡会（広瀬川部会）を開催し、情報交換を行ったところです。
　27日は26日夕方の局地的な豪雨の影響もあり、広瀬橋地点（基準観測所）において、約6.1m3/s（７月27日12時時点）あった水量が、約2.3m3/s（７月28日９時時点）まで減少しております。また、名取川の名取橋地点（基準観測所）においても、約2.2m3/s（７月28日９時時点）となっており、今後の予報からも両河川において※正常流量2.0m3/sを下回ることが心配されます。
　このような状況から、仙台河川国道事務所と釜房ダム管理所が連携し、ダムの弾力的運用流量0.5m3/sを名取川に補給するとともに、釜房ダムに確保されている※環境用水流量0.5m3/sを広瀬川に導水することで、今後心配される「広瀬川の※瀬切れ防止」や「旧笊川の環境改善」及び「名取川下流域における環境改善（魚類保護など）」を図ります。

※正常流量とは・・・
　　魚類の生息状況、景観、水質等を総合的に判断し、河川の維持に必要な流量をいいます
※環境用水とは・・・
　正常流量に対し不足する分を補給するために、ダムで確保している水量をいいます
※瀬切れとは・・・・
　　川の水の流れが途切れた状態をいい、魚類のへい死など河川環境に多大な影響が想定されます
※弾力的管理とは・・・
　　洪水調節に支障を及ぼさない範囲（洪水貯留準備水位+１ｍ）で、洪水調節容量の一部に流水を貯留し、これを適切に放流することによりダム下流の河川環境の保全を図ることを目的としたものです

■釜房ダム放流予定日時：　７月２８日（水）１７時

■広瀬川への導水予定日時：７月２９日（木）１０時
　　　　※上記は名取川頭首工からの導水開始予定時間
　　　　○段階的に導水された水が広瀬川へ到達する時間は概ね１２時頃と１４時頃の見込みです。

■導水ルート：別紙チラシ参照

■協力機関：東北農政局阿武隈土地改良調査管理事務所、名取土地改良区、宮城県仙台土木事務所、仙台市建設局、仙台市経済局、東北電力(株)
●実施経緯と内容
　　７月に入り、降雨が極端に少ないこと、また、連日30℃を越えるような　気温が続いていることにより、現在、広瀬川の水量は基準観測所である広瀬　橋地点において、約2.3m3/s（７月28日９時現在）となっています。
　　今後の予報からも多くの降雨が見込まれないことから、水量が更に厳しくなることが心配されます。
　　このため、釜房ダムに確保している水量を名取川から広瀬川へ導水し、広瀬川の水量の回復を図るものです。
　　現在、名取川の水量は、基準観測所である名取川地点において、約2.2m3/s（７月28日９時現在）でありますが、降雨による広瀬川の水量の回復、または名取川の水量が厳しくなってきた場合は、釜房ダムからの増放流は速やかに中止するものです。

●安全対策
　　導水に伴い通常の水位より、笊川、旧笊川で約10cm程度水位が高くなります。導水ルートの巡視、看板、のぼり旗の設置等、安全対策には万全を尽くしますが、木流堀排水路、笊川、旧笊川に近づく場合には十分注意をお願いします。

●釜房ダム管理所の対応
　　広瀬橋地点及び名取橋地点において、2.0m3/sを下回ることが想定されることから、広瀬橋地点に対しては環境用水で、名取橋地点については釜房ダムの弾力的運用により正常流量の不足分を補給します。

●導水中止の判断
　・広瀬橋地点の流量が2.0m3/sを上回り安定すると見込まれた場合
　・名取橋地点の流量が2.0m3/sを下回り回復が見込めない場合
　・釜房ダムからの増放流が不可能な場合（※確保水位を下回り、利水容量に支障をきたす場合）

確保水位とは・・・
　上水道用水、かんがい（農業）用水、工業用水の供給のために確保する水位をいいます

　＜添付資料＞　チラシ

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