国土交通省 岩手河川国道事務所

カスリン・アイオン台風より60年!
 カスリン台風における時間水位グラフ
カスリン台風における時間水位グラフ

 豪雨は渓流河川に急激な出水となった。一部で土砂崩れも起こり、北上川の本支流をはじめ、県内河川で大きな水害を引き起こした。
  岩手県の最も高い零点高からの警戒水位は、諏訪前の5.5mであるが、その数値をカスリン台風時に超えた水位観測所は、下黒沢、鵜ノ木、三ヶ尻、桜木橋、箱石、一関、狐禅寺、横石、曲田の10個所で、16日に最も集中していた。
  最も高かったのは狐禅寺であった。警戒水位は3.00mだがその水位は14日ですでに超えていた。14日13時に5m、15日13時で7.53m、16日13時で17.31m。1日にして10m近く増水している。4時間後の17時には最高水位17.58mを記録した。狐禅寺における零点高は10.720mであるから、最高水位のときの水深は28.3mということになる。一関の最高水位は同じく16日の17時、16.74mであった。
  カスリン台風の狐禅寺の水位は、それまで最高記録であった明治43年の14m62pを突破した。これは戦後の岩手県において最高数値でもある。台風も三陸沖に抜けた17日には16m台に落ち着き、13時には13.59m、翌日には4.40mにまで下がった。

 

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