カスリン台風時における降雨は台風上陸の前の長雨に続く豪雨ということで明治43年の豪雨をしのぐものであった。北上川上流部で見ると奥羽山脈の東側斜面で、県南に多く降った。
被害が小さいほうだった盛岡でさえ集中豪雨に見舞われた15日には、午後4時半からわずか6時間で101oも降っている。この日の他の降雨量は、岩手山で159.4o、次が最も被害が大きかった一関の155.0oであった。
12日から15日までの4日間の降雨量は北上川一級支流雫石川の岩手山の429.6oを最高に、北の岩手町御堂で180.2o、盛岡236.3o、中央部の花巻296.3o、南の厳美349.8oで、他もほぼ200oを超える大雨となった。岩手山の連続量は、東北エリアにおいても最高値である。1日の降雨量では宮城県の名取川支流北川笹谷の14日290oが最高値を記録している。
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