昭和22年9月12日、トラック島付近で発生したカスリン台風が小笠原西方を北上。同時期、南シナ海で発生し、秋田沖まで移動、停滞した低気圧があった。これに中心より沿岸に沿って北海道中部に達する弱い温暖前線が影響し、9月6日ころから雨は断続的に降り始めた。東北地方では11月より大雨が続き、岩手県では12日未明から雨が降り出した。
14から15日は台風の接近により、さらに強く降る。14日、台風が本土に近づくと、中部地方、関東地方の内陸に地形的に発生したほかの低気圧を吸収し、温暖前線は強くなった。一方秋田沖にいた低気圧も移動を始め、岩手県を通過。台風の湿った空気を加え大雨となった。
岩手県では14日午後2時10分から、台風周辺の豪雨が降り出した。もっとも激しかったのは15日で、7時から9時を中心とするものと、15時〜17時とで猛烈な集中豪雨となった。この午後の降雨が洪水の主要因でもある。16日午前2時30分まで断続的に豪雨は続いた。カスリン台風は、その後15日夜に房総半島の先端をかすめ16日には三陸沖に抜けた。
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