16日の段階ですでに5mを越す水位が記録されている。朝日橋、一ノ関、狐禅寺、舞草、曲田、鱒沢、下黒沢が徐々に水位を上げていき、19時過ぎあたりから、5mを越している。
盛岡から一関間の北上川の水位は、16日の17時ころまではゆるやかな上昇を見せていたが、こと下黒沢や舞草、狐禅寺など県南部においては18時から20時までの間は1時間あたり約2mずつ急上昇した。この急な増水は一関付近の豪雨による支川の出水によるものであった。狐禅寺の最高水位は15.58mで、被害が大きかったにもかかわらずカスリン台風の水位より低かった。アイオンでの岩手県の最高水位は川賀慶の24.35mであった。
17日の朝方8時にはほとんどの観測所は下降線をたどっている。しかし、その中で箱石、一ノ関、狐禅寺、舞草、川賀慶、曲田は上昇していた。これからが下降しはじめるのは、狐禅寺が最高水位を出した17時過ぎから。それでも24時の段階で川賀慶、狐禅寺はそれぞれ24m、15mを超えていた。狐禅寺が10mから下降線を描き出したのは、19日に入ってからであった。 |