「新しい公共」取組み事例

美しい山形・最上川フォーラムによる地域活性化プロジェクト支援事業

団体名

美しい山形・最上川フォーラム
 

ホームページ

http://www.mogamigawa.gr.jp/

所属/ 担当者名

事務局 平野 沢果
 

連絡先

電話 023-666-3737
E-maile sh-mogamigawa@festa.ocn.ne.jp

活動地域

山形県白鷹町川下(大瀬、佐野原、下山、菖蒲)地区
 

 

活動地域の概要

大 瀬:・世帯数20戸、人口63人(平成17年度国勢調査)
 ※世帯数60戸以上、人口327人(昭和40年、事実上無人となった平田集落と合わせて)だった40年前と比べて世帯数2/3・人口4/5減少
 ・65歳以上の高齢人口が占める割合50.0%(平成20年度)、20〜24歳および35〜39歳は0%
 ・公共の交通機関 町中心部への定期バス(平日4便/日)、デマンドタクシー(平日7便/日、500円/回)
佐野原:世帯数31戸、人口115人(平成17年度国勢調査)、高齢化率34.8%
下 山:世帯数66戸、人口235人(平成17年度国勢調査)、高齢化率32.8%
菖 蒲:世帯数56戸、人口220人(平成17年度国勢調査)、高齢化率30.0%

【位置図:白鷹町】

【位置図:川下地区】

位置図参考URL
http://map.yahoo.co.jp/
http://www.mapion.co.jp/map/admi06.html

活動地域の課題

川下地区、特に「大瀬集落」では、高齢化、世帯数・人口の減少に伴い、敬老会や運動会などの住民が顔を合わせる機会に加え、防災対策等地域の課題を共有し解決に向けて話し合う機会が減少している。白鷹町のほぼ北端に位置する大瀬を活性化させることは、町全体の活性化にもつながると考えられるが、そのためにはまず大瀬の近隣集落におけるコミュニティの活性化が不可欠である。20年度、大瀬において地域点検のワークショップを行った結果、地域の既存の資源を磨いていくことで合意したが、この取り組みに参加していた「下山集落」の住民の間にも、地域が元気に存続するためには、住民が集う活動を通じコミュニティの活性化を図らなければならないとの認識が高まった。

活動の内容

平成20年度
「大瀬も先進地に学べプロジェクト」
(9月)…「四ヶ村」(「日本棚田百選」の棚田保全に係る地域活性化)と「大蔵村肘折温泉」(歴史ある湯治場の中での地元大学との連携等新しい取り組み)を視察。
「大瀬が健康でいきいきプロジェクト」
(10月)…「大瀬のお宝」(7月調査)をもとに「こうなったらいいね!」という提案を出し合い、そのためには何が大切か、「誰が」「いつ」やったら上手くいくのかを整理。芋煮会、保健士の健康講座も同時開催。
「大瀬を桜の新名所にしようプロジェクト」
(12月)…桜の植樹・既存の桜の手入れを実施。さらに桜の休眠期の手入れ方法を勉強し継続的に住民が集う機会創出を目指す。桜と地域づくりの記念講話、「大瀬応援団」(下山集落住民等)との餅つきも実施。
「まとめの会」
(2月)…上記プロジェクト(ワークショップ)で話し合ってきたことの総括。
「おおせ博覧会」
(3月)…手作り映画「おおせ物語」、大瀬の写真展、川下地区の歴史講演、「しらたか美食売店」での鍋・餅等の販売を実施。

平成21年度
(1) 大瀬での平成21年度からの発展的な取り組み
年度当初、「住民と行政で協力したらすぐできる(20年度ワークショップでの整理による)」と、稲荷神社のお祭りを復活させる計画をしていたが、稲荷神社に松の木が倒れ稲荷が損壊してしまったため中止。しかしその後、「大瀬応援団」の協力も得て、縁起物「身替り稲荷の松」として、その松を使い「通行手形」を手作り。白鷹町、朝日町、大江町でつくる広域観光推進協議会が実施する「レトロバスツアー」で大瀬前の国道287号線を通行するツアー参加者に配布した。
(2)川下地区全体での地域点検ワークショップ
「しもやま桜街道による地域づくり研修・植樹会」
(11月)…地域点検ウォーキング、植樹作業、手入れ研修(実技・座学による病気処置方法等)※開催案内時、桜守組織メンバー、および「さくら街道」と「荒砥第二公園」の愛称を募集。
「しもやま桜街道地域づくり祝賀会」(12月)…防災セミナー「あるといいな防災マップ〜いつもの道が命の道になる〜」、歴史研修・地域点検会、子ども落語、餅つき(収穫祭)、愛称発表会、「最上川慕情」をうたう集い 「ボランティア組織立上げの会(仮称)」(1月)…ボランティアが集まり、今後の活動計画を確認。

活動の成果

平成20年度

 まず、ワークショップにおいて、地域の歴史的な行事・史跡等で廃れているもの、生活における不便な点、および地域の魅力を集落みんなで歩き抽出・確認した。次に諸問題を「誰が」「いつ」やれば解決できそうか整理・区分した。諸問題として「住民同士が集まる機会の減少」も挙げられており、ワークショップを重ねること自体が地域コミュニティの活性化へとつながった。この結果、集落をさらに発展させることは難しいかもしれないが、住民が元気で生き生きと暮らし地域の活気につなげることの重要性が分かってきた。「声掛け合って元気な毎日」等の合言葉も生まれ、自分たちで解決できそうなものは、話し合いを続けて具体的な方策を探ることで合意した。
 大瀬での取り組みについて、美しい山形・最上川フォーラムがホームページなどで周知しているが、「おおせ物語」は300件近いアクセスがあり、地域の魅力発信・住民の士気高揚に寄与している。さらに、大瀬での取り組みに「大瀬応援団」として参加してきた下山の住民の間でも、既存の桜、最上川沿いフットパス(小路)、道の駅、「つぶて石」等を整備・活用することで地域を元気にしようという気運が醸成された。

「大瀬応援団」との餅つき
(20年12月)

平成21年度

 「下山さくら街道による地域づくり研修・植樹会」11月15日(日)
@地域点検ウォーキング(公民館〜「荒砥第二公園」の周遊)
A桜植栽
B研修
 実技:既存の桜で手入れのデモンストレーション(テング巣病枝剪定等)
 座学:植栽後の手入れ(下山の地域性を考慮(鳥の食害対策等)について)
※参加:川下地区住民、美しい山形・最上川フォーラム会員、大学生など約30名「下山さくら街道地域づくり祝賀会」12月13日(日)
@防災セミナー「あるといいな防災マップ〜いつもの道が命の道になる〜」
A下山及び周辺の歴史研修・地域点検会 B子ども落語 Cポスターによる桜植栽報告(植栽時注意・手入れ方法を発表)
D愛称発表会(桜街道:「下山ロマン街道」、荒砥第二公園:「黒滝展望公園」、桜守組織:「下山ロマン街道・黒滝展望公園の会(仮称)」)
E子ども交流館で育てたもち米を使い「餅つき」(収穫祭)
F「最上川慕情」(歴史研究に登場した下山の史跡などが歌詞に登場)合唱
※参加:川下地区住民、美しい山形・最上川フォーラム会員、大学生など約70名 「ボランティア組織立上げの会(仮称)」1月31日(日) 植栽した桜の施肥・剪定・防除等の手入れ作業を通じ、最上川周辺の景観整備・活性化を担うボランティア組織を立上げ(当資料作成時は活動計画等を作成中)。

研修会のようす(21年11月)

防災セミナーのようす(21年12月)

今後の課題及び展望

課題
 現在の取り組みを、将来も若い世代にしっかりと引き継ぐために、住民のみなさんの士気を高いままに保つことが必要。加えて、コミュニティ創生の中心となる桜の手入れについては、成長とともに新たな知識も必要となる。

展望
 上記課題を解決するため、美しい山形・最上川フォーラムでは桜守活動等を広報・支援するとともに、川下地区と他地域の住民交流の場として桜手入れ研修会継続を検討。このことにより、地域コミュニティの維持・活性化が期待される。


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