「新しい公共」取組み事例

「ばっちゃ力の共同食レストランと弁当サービス」の仕組みづくり

団体名

特定非営利活動法人 資源循環型社会発信地域創造グループ(EGG)
特定非営利活動法人 活き粋あさむし
協同組合 プランニングネットワーク東北
 

ホームページ

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所属/ 担当者名

協同組合 プランニングネットワーク東北 事務局長 三浦麻子 事務局
(資源循環型社会発信地域創造グループ(EGG) 柏谷富紀子 横浜事務局)
 

連絡先

電話 017-723-7630
 FAX 017-723-7631
 E-mail asako@planet-thinks.or.jp (三浦)

活動地域

青森県 横浜町
 

 

活動地域の概要

<横浜町の現況>(平成21年6月現在 数字は平成20年)
・人口は5300人、2070世帯。前年に比べ人口は110人減少、世帯数は16世帯増加。
・集落の数は18。最も多い本町は1080世帯2500人、最も小さい雲雀平集落は5世帯10人。
・0〜14歳人口は13.0%。人口増加率はマイナス7.5%。高齢化率28.4%。特に85歳以上の人口は平成9年から19年の10年間で2.2倍の増加。
・公共交通はJR大湊線横浜駅がある。
・町内に病院はなく、診療所が2ヶ所ある。1つは医師が高齢、1つの医師は青森市からの通い。
・ 就業人口の構成比は、1次産業:2次産業:3次産業が3:3:4
・ 典型的な半農半漁の町。野菜は各家で自家生産が多い。

横浜町は下北半島のつけ根

活動地域の課題

むつ湾東岸(はまなす海岸)の横浜町は、やませの気象条件、平地の制約で半農半漁の集落群である。後継者流出が続き、高齢単身のばっちゃ比率が高い。家族・コミュニティが崩れ、孤食が広がっている。短命県青森のなかでも女性は最も短命に近い。保健所などの食事指導も孤食で効果が制約されている。
 また、その生活は半困窮状態で、わずかな収入追加が浜のばっちゃたちの切実な願いだが、可能性はコミュニティ複合的なスモールビジネスに限られる。

活動の内容

平成20年度

9月

関係機関に趣旨説明、協力依頼 第1回運営ばっちゃ会議 運営ばっちゃ会議設立(設立時20人) 第2回会議 委員2〜3人ずつチームに分かれて集落ごとに「昔食 べていたもの調査」取材とまとめ実施

唯一のじっちゃ委員は調理師

弁当試食会で。石木先生の講評

10月

第3回会議 チームごとに調査結果を発表(1回目) 農家レストラン「ふみえはらはん」(宮城県加美町)見学

11月

十和田市道の駅とわだぴあ 農家女性達の料理「一皿会」見学。 第4回会議 「昔食べていたもの」発表(2回目)と試食。 浅めし食堂とNPO法人活き粋あさむしの見学・研修(浅虫温泉) 第5回会議 「昔食べていたもの」発表(3回目)と浅虫研修 の感想発表 第1回横浜ばっちゃ料理試食会打ち合せ

12月

第6回会議 第1回横浜ばっちゃ料理試食会(関係機関招待)

1月

第7回会議 試食会反省 第2回試食会の打ち合せ

2月

第8回会議 第2回試食会(弁当試食会)打ち合せ 2チームに分かれて2種類の弁当の内容を相談

3月

関係機関への活動報告と材料提供協力依頼(JA、漁協、社協) 第9回会議 第2回試食会 浜のばっちゃ弁当(2種類)試食 会(先輩ばっちゃグループ、関係機関招待)
第10回会議 弁当試食会反省と次年度の相談

平成21年度

7月

第0回会議 前年度の振り返り 今年度のアイディア出し

漬け物コンテストチラシ

ばっちゃ力ロゴマーク

8月

第1回会議 今年度スケジュール説明

9月

第2回会議 伝統法事膳の再現試食(国土交通省現地視察) 産直レストラン「ビーンズ」(秋田県大仙市)視察と研修

10月

第3回会議 「ビーンズ」研修反省 学校行事との協働について

11月

<菜の花クリニック仮開業> お祝いの紅白餅を提供 第4回会議 クリニック開業記念「ばっちゃの漬け物コンテスト」 相談 ばっちゃ会議のロゴ検討

12月

第5回会議 講演 上十三保健所健康増進課長 東山惠子さん 横浜町の正月料理試食会 (国土交通省 担当者現地視察)

1月

第6回会議 漬け物コンテストの詳細打ち合せ 他 23日 青森市新町商店街まちの駅で「クジラ汁」(限定100食) 提供(商店街との共同企画) 26/27日 町内高齢者の昼食会に 伝統料理を提供 事業化アンケート調査(社協との共同企画)

活動の成果

平成20年度
@孤食状況のヒアリング、試食会、グループインタビューで、一人暮らし高齢者の引きこもり状態の改善、食事の指導効果の向上、生活習慣病改善のためには「共同食レストラン及び弁当サービス」が必要なこと、集落高齢者の事業への期待も高いことを確認した。
Aまた、60歳代は伝統食づくりの経験が乏しく保全・継承が危機的状況にあることに気がついた。
B町も社協も財政難で人手もなく、ばっちゃ自身が担い手となる経営体設立の支援が必要なことも確認。
C行政や農漁協など関係機関の理解が進んだ。

平成21年度
@産直レストラン「ビーンズ」など、事業としてなりたっている事例を見学することで、自分たちに可能な事業形態、規模などを展望することができた。
A社協や町、民間の集まりなどから、弁当の依頼を受け、提供した。原価で提供し、そのかわり?アンケートに協力してもらった。
B活動を通じ、菜の花クリニックが横浜町に開業することが決定!ばっちゃ会議としては、全面協力態勢で臨むこととし、仮オープンに紅白の餅を提供。
C菜の花クリニック主催「漬け物コンテスト」事務局を担当、クリニックと町民のコミュニケーションスタートに協力。3月初旬の新築開業のオープニングパーティ(内覧会)に料理を提供する予定。

漬け物コンテストチラシ

ばっちゃ力ロゴマーク

今後の課題及び展望

課題
@今年度事業で予定していた学校行事との協働が、インフルエンザ騒動のため、実施することができなかったた。核家族が増加して、子ども達だけでなく親の世代でも行事食や伝統料理の味を知らない。伝統の味の継承が家庭ではできなくなっている。
A高齢化の一層の進展により、社協の事業は多様化し、作業量の増加も著しい。
B菜の花クリニックに医師が常駐、3人体制で町民の健康を守ってくれることになったのは、ばっちゃ会議の活動によるところが大きい。これをサポートするのはばっちゃ会議に託された使命である。(と勝手に決めた)

展望
@年間スケジュールのなかにばっちゃ会議との協働事業を組み入れてもらうなど、子ども達の心に地域への誇りを醸成するためにも、学校との協働事業を実施したい。
A町の高齢者の健康増進と、孤食回避、楽しい食事を提供するため、スモールビジネスの立ち上げを目指す。
B菜の花クリニックと協働で、残したい味コンテストを継続する。
Cできる範囲で活動範囲を広げる。県内他地域からのばっちゃ料理提供のオファーがあれば積極的に応じる。


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