1回 東北の地域と社会資本を考える懇談会議事要旨

 

日時:平成121225日 10001230
場所:ホテル仙台プラザ3F


≪開催趣旨≫

  東北地方は、広大な国土と豊かな自然環境や文化資源に恵まれ、大きなポテンシャルを有している。半面、それらを十分に活かし切れていない状況にあります。
  この東北の高いポテンシャルを活かし、地域全体が一体となって、生き甲斐を感じ、自らが誇れる地域、次代に繋げていくための地域づくりが、いま非常に重要となっています。
  東北地方の社会資本は、年々、整備が進んできているものの、広大な地域故に、未だ十分な状況とはいえず、また、自然災害等に対する安全・安心の確保や快適な生活を営むためのインフラ整備は、十分とはいえない状況となっています。さらに、少子・高齢化、国際化、高度情報化等の大きな社会潮流の中で、国民のニーズも一層多様化してきており、それらに的確に対応した地域づくりを推進していく必要があります。
  このような背景のもと、21世紀における東北地方の地域の自立や活力の創造は、これまで以上に喫緊の課題であり、東北ブロックが一体となった地域づくり戦略を早急に検討する必要があります。
  そこで、標記懇談会を開催し、地域に暮らす人々が、誇りと生き甲斐を感じながら生活を営むための地域づくりの方向性や、それを支える社会資本整備のあり方などについて検討を行います。
  以下に、第一回懇談会出席者名簿及び議事要旨を掲載します。


第1回「東北の地域と社会資本を考える懇談会」名簿

役職 氏名 現職
座長 森杉 壽芳 東北大学大学院情報科学研究科 教授

委員
(五十音順)







一力 雅彦
稲村  肇
牛尾 陽子
大滝 精一
大堀 英俊
大山 健太郎
岡田 正意
香取  薫
小松 弥生
佐藤  潤
鈴木  浩
本間 利雄
水戸部 浩子

河北新報社 常務取締役編集局長
東北大学大学院情報科学研究科 教授
鞄。崎快適生活研究所 取締役
東北大学大学院経済学研究科 教授
(社)東北経済連合会 常務理事(欠席)
アイリスオーヤマ梶@代表取締役社長(欠席)
日本銀行仙台支店長
弘前大学人文学部 教授
仙台市教育委員会 教育長
潟zテル佐勘 代表取締役
福島大学行政社会学部 教授
本間利雄設計事務所・地域計画研究室 代表取締役
荘内日報社 論説委員

≪第1回議事要旨≫
1回テーマ:東北の地域づくりビジョンについて
各委員にビジョン策定にあたってのポイントをフリーで討議いただきました。主な意見は以下のとおりです。

▼第1回 東北の地域と社会資本を考える懇談会



・これからの東北を考える場合、「くらし・生活」と「産業・経済」、「人流」と「物流」は分けて考えるべき。また、効率性、公平性についても分離し、基準を明確にすべき。
   産業面でも生産(動脈産業)と生活・環境(静脈産業)を分けて考えるべきである。(環境もこれからはビジネスチャンスになる。)
・地方の便益を考えるとき効率性の中に公平性を入れると恣意的になる。
   また、地方自治体の政策能力は相当低く、その要因には現行の交付税制度・補助金制度があげられる。今後、フルセット是正が地方整備局の役割でもある。
・東北全体としての社会資本整備を考えていく必要がある(県の枠組みを越えるインターブロック構想など)。その場合、様々なインフラ整備について、どの様にして一体的に整備していくのか。広域的・効率的整備をビジョンの中で強く打ち出していくことが必要。(道州制的観点など)
・勝ち負けの議論では、東北はこの10年が正念場である。その要因として公共投資減による雇用への影響がある。単に経済と違う観点のあり方、造り方がある。

・企業、住民、行政の目標像のギャップを共有化していくことが重要。
 今後、自治体の政策能力・技術力を高めるのかが国の役割であり、その戦略を打ち出すことが必要。
  また、地方整備局が都市・住宅部門を担うことは大きな価値がある。東北のくらし、住宅をビジョンに打ち出すべき。(日本の住宅寿命は26年に対しアメリカ44年、イギリス75年。ストックになりえていない)
・今後の国土・地域づくりにおいて、建設・運輸が統合することは意義がある。
例えば、都市づくりにおいてニュータウンには駅が無い事が多い。東北は車なしでは移動できない地域となっている。今後は鉄道と住宅を関係付けることが重要。
地域間競争による勝ち負けが生じることについては、その是非から議論が必要。
 自治体の基本構想を地域住民がどれだけ目を通しているのか疑問。ビジョン作りにおいて情報の公開が大前提。


・サスティナブル(持続可能)を念頭におくべき。
また、これからの地域づくりは、行政に任せるのではなく、住民一人一人が社会問題解決に向けて認識を深め、自立できる市民を多くしていくことを考えるべき。(税金を納める者の責任)
他の地域にはない東北の伝統・文化を如何に活用するかも課題。

 

・行政と住民の意識にはギャップがある。
具体的に情報化の視点では95年までは、一人あたりの情報量は全国ほぼ平均化しているが、都道府県単位で見ると格差が生じる。
また、質的充実は大切であるが、地域によっては量的にまだまだ不足している。(バリアフリーは必要であるが豪雪地域では除雪がなされなければ無意味。)
・国土つくり地域づくりに、以前は「開発」が強制され、現在は「環境」が強制されている。
  また、個人の幸福感・満足感は数値化することができない。ビジョンには数値化できるものを出すべき。

・今後は、役割分担を明確にしていくべき。行政のアカウンタビリティばかりでなく住民のアカウンタビリティも必要。(ほしいものは何故ほしいかの説明が必要。)

・外側からグローバル経済、内側からくらし・地域を考える視点が必要。(内側からの挑戦、外側からの挑戦)その際、コミュニティを自らがどのように支えていくかが重要。(例えば、地域の中で事業を興し、担い手を育てることが大切。)
 コミュニティーの再生も重要なテーマ。


・地域から考える視点(空間、時間)、交流(体験・ふれあい)の舞台をつくるというソフトが必要。

・東北6県の平均の議論は終わり、これからは地域の個性が重要。
 以前の国土利用からくらし(住民の視点)へようやく移行しつつある。くらしは住民が主語になり、これからのビジョンには主語と述語を明確にすべき。また、今後は、社会資本としての大学を活用すべき(知識資本)
  地域づくりの観点では、「住民参加」とよくいわれるが、どうしてよいかわからないのが現実であり、仕組みを示すべき。
・今後は、調査、研究、モニタリングを行政が住民と一緒にするべき。
・独自の「東北時間」を作るべき。


・戦災の復興に社会資本の役割は非常に大きく、今こそ原点に立ち返る時期。
  現在、物は買わないが心の贅沢を求める人は多く(ニーズの変化)、その中で、今こそ交通体系、都市、空港のあり方を考える時期。今までは個々(フルセット主義的)で考えていたのではないか。(例えは6県の空港のあり方。コミューターという空港の考え方もある。)


・東北の中には変化したもの、変わらないものが混在。
  変わらないものに東北の豊かさがあり、人間の五感に響くものを東北は持っている。
 また、東北の価値は生態学見地で知ることができ、今後の地域づくりには、民俗学的視点が必要。
・幸福の基準は作れないが、いい状態を作り保つことが大事。いい状態の東北を造るべき。
  東北の民族が持つ潜在的「価値」は世界に通用する。


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