沖ノ鳥島の直接管理

沖ノ鳥島は、北緯20度25分、東経136度05分に位置し、東京から約1,700km、小笠原諸島からでも約900km離れた我が国最南端の島です。この島は国連海洋法条約第121条による「島」で、日本の国土面積(約38万km2)を上回る約40万km2の排他的経済水域を有する国土保全上極めて重要な島ですが、満潮時には高さ、幅とも数m程度の2つの島が海面上に残るのみとなっていました。
この2つの島が長年の浸食により、水没の恐れがあったため昭和62年度から護岸の設置等の保全工事を実施しました。しかし、施工後約10年が経過し、厳しい自然条件のもと護岸の破損などの劣化が急速に進行しているため、国が全額国費により直接維持管理を行い、沖ノ鳥島の保全に万全を期すこととしました。


沖ノ鳥島全景:東西4.5km、南北1.7kmの珊瑚礁の島(写真左)
施工後長期間が経過し、適切な維持管理が必要(写真右)


沖ノ鳥島の経緯
  1543
スペイン船サンファン号が発見
  1931 (S6)
第一次世界大戦後、南洋諸島委任統合とともに日本領となる
  1934〜1941 (S14〜16)
気象観測所並びに灯台建設工事/前後7回に分けて基台ブロック工事を行う
  1952.4.28 (S27)
米国の信託統治下におかれる
  1968.6.26 (S43)
小笠原の返還にともない、沖ノ鳥島及びその領水が米国より日本に返還される
  1977.7.1 (S52)
領海法、漁業水域に関する暫定措置により、領海12海里、漁業水域200海里を有する
  1982.12.10 (S57)
国連海洋法会議において、海洋法条約を採択(200海里の排他的経済水域等を規定)
  1983.2.7 (S58)
国連海洋法条約に署名
  1987.10.14 (S62)
東京都により海岸保全区域に指定
  1987.11.1 (S62)
建設省による直轄工事の公示
  1987〜1993 (S62〜H5)
護岸等の設置工事
  1994.11.16 (H6)
国連海洋法条約発効
  1996.6.14 (H8)
「領海及び接続水域に関する法律」及び「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律」を公布
  1999〜 (H11)
全額国費による直轄管理制度の創設