海岸には美しい砂浜や岩礁、そこに生息するさまざまな生き物などが存在しています。わたしたちはこうした貴重な自然環境を出来る限り残し、また既に失われてしまったものは復元しながら、海岸の整備と保全を進めています。特に、名勝や自然公園などの優れた景観、天然記念物などの学術上貴重な自然、生物の重要な生息・生育地などの優れた自然を有する海岸については、その保全には十分配慮していきます。
海岸環境に関する措置
砂浜によってはウミガメが産卵をするためにやってくる場所もあります。また、貴重な海浜植物が生息している場所もあります。このような場所に対しては車の乗り入れを禁止し違反者には罰則を適用するなどの措置を適用します。
海岸環境を考慮した、海岸整備の新しい技術
自然環境の保全や共生を考慮した新しい海岸整備方法をいくつかご紹介いたします。
サンドリサイクル工法
一連区間の海浜において、自然な海岸を残すため構造物を少なくし、堆積傾向にある土砂を浸食傾向にある区域へ循環させ、一定の安定した海浜を形成させます。
サンドバイパス工法
構造物によって漂砂の連続的移動が断たれた下手側海岸に、構造物上手側に堆積した土砂を輸送・供給する工法です。土砂輸送方法としては、陸上運搬、浚渫船等による海上運搬、パイプライン等があります。
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近自然型海浜安定化工法
砂浜の下に透水性のよい捨石などを設置することで、波といっしょに運ばれる砂を浜に残し、海水だけを透水層を通して海へ戻す工法。自然の景観を保持しながら砂浜の侵食を防ぐことができます。
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タンデム型人工リーフ
2基の人工リーフを岸沖方向へ並べて、砕波を2回発生させるなどにより、通常の人工リーフに比べ小さな断面で同程度の消波効果が期待できるとともに、表面積が大きくなることによりリーフに海藻がより繁茂するなど水産生物との共生にも優れています。
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