安全な海岸をつくります

日本は津波や高潮、波浪による災害や海岸侵食の脅威に常にさらされています。海岸は、このような災害から海岸付近に住む人々の命や財産を守る役割を担っています。現在、防護設備が十分に整っていない海岸も残されていますので、今後も防護設備の計画的な整備を進めていきます。
今後推進する海岸保全施
人工リーフ
常に海面下に没していることから、景観上優れているとともに良好な生物の生息、生育の場となるなど、水産生物との共生にも資するようにします。
ヘッドランド
隣り合うヘッドランドの間をポケットビーチ化し、波浪エネルギーを分散させ、海浜の安定化を図ります。

砂浜の保全・回復を主体とした整備への転換
砂浜は、防災上の機能に加え、白砂青松等の美しい海岸景観の構成要素となるとともに、人と海との触れ合いや海水の浄化の場としても重要な役割を果たしており、多様な生物の生息・生育の場ともなってます。このため砂浜について、その保全と回復を主体とした整備をより一層推進していきます。

平成5年(整備前)   平成10年(整備後)

面的防護方式
海岸防護設備の整備を進めるにあたってわたしたちが推進する方法の一つは、「面的防護方式」と呼ばれます。これは波の力を、人工リーフや緩傾斜堤防などの複数の施設によって分散させて受け止める方式です。

従来の方式は「線的防護方式」と呼ばれました。これは海岸に直立堤をつくりますが、砂浜が侵食されて打ち上げられる波の高さが高くなるに従って、堤の高さも高くしなければならず、砂浜の浸食に比例して巨大な施設が必要でした。面的防護方式では砂浜の侵食対策も含めた海岸保全の方法です。

ソフト面の対策
津波、高潮の対策として、適切な避難のための迅速な情報伝達などの対策も行います。特に、過去に大きな被害を受け今後も被害を受ける可能性が高いと思われる地域については、地域と協力した防災体制の整備や避難地の確保など総合的な対策を行うように努めていきます。