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   今日は南パトロール(三戸方面)。ポカポカ陽気の春らしい天気になってきました。

 

   昨年に引き続き防災カルテを基に、盛土箇所(十和田市三本木字野崎)について点検を行いました。
縦排水路(段差や亀裂がないかを点検) 防災カルテの資料を参考に、ひび割れの進行具合をチェック


例1 木の成長により側溝が破損し漏水している状態 例2 水路からの漏水により、直下の盛土が崩壊

 ●水路は該当盛土部分の降水だけでなく、その周辺の降水も広範囲に集めている。よって、水路の欠陥は、水路の
  無い状態よりも多くの水を盛土に集中して供給させることになり、盛土の健全性低下を助長する。

 ●降雨時に水路からのオーバーフローや漏水により、水路周辺の浸食や盛土法面の浸食を発生させる。それに伴い、
  水路本体の目地ずれや破損などがさらに拡大する。

 ●盛土内部への水の浸透を促進させることになる。

 ●盛土内への水の浸透が繰り返されることで、盛土材質の強度低下、目詰まり現象が生じ、いずれは崩壊に至る。
 
コンクリート擁壁をチェック 擁壁目地部の開口・ズレ(去年からの進行はなし)


例1 水平方向に開口亀裂が入った石積擁壁 例2 水平方向にせり出しが生じたブロック積擁壁

 ●水平方向のひび割れ、および鉛直方向でも前後に段差があるひび割れは、地山の変状、例えば地滑り変状に起因
  しているものが多い。

 ●特に湧水を伴う場合は、変状の進行が今後も継続する可能性が高い。

 ●上下の段差を伴うひび割れや目地のずれは、背面の地山の変状以外に、擁壁支持地盤の不当沈下に起因している
  場合もある。

 ●ひび割れの進行の監視は重要であるが、四季の温度変化による回帰(概ね±2mm程度)の範囲内であれば、経過
  観察でよい。

 ●目に見えてひび割れが累積する状況であれば、詳細調査や対策工検討が必要となる。
 
人道ボックス ヘアークラックを発見(ボックス内)


   
   
  建物の外壁や内壁などに発生した亀裂やひび割れのこと。クラックには大きく分けてヘアークラック(または収縮
 クラック)と構造クラックの2種類があります。

 収縮クラックともいう。乾燥収縮や膨張などによって表面に生じた髪の毛ほどの幅(0.2〜0.3mm以下が目安)の細くて深さのあまりないクラック。特に構造には影響しないひび割れなので、補修の必要はない。

 設計や施工時の欠陥によって基礎の内部から生じたクラック。クラックの幅が0.3mm以上で深さが5mm以上ある場合、構造クラックの可能性が非常に高い。補修の必要があり、補修せずに放置しておくと、基礎の強度が低下し、建物を支えられなくなる可能性もある。

 

   
   
  道路防災総点検(豪雨・豪雪)や定期点検などの実施結果を受けて、法面などの着目すべき事項を記載した
 もの。これを使うことによって、今後発生する可能性のある変状や崩壊の前兆をチェックし、効率的で計画的な
 日常の管理や防災対策の実現を図っています。
 
 
 
  防災カルテ(事細かに道路や法面の状態が記載されています) 前回点検時の写真も添付  


当出張所ではこれからも、管理区間内における現場点検を強化し、
よりよい道路管理・まちづくりを行っていきます。

  



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