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                        目の前にそびえ立つ巨大な建造物
はじめに 
最近、私が仕事をしていて感じるのは「聞く」ということの難しさです。
さて、ここで問題。聞く能力に長けている職業は何でしょう?

脳科学者が、色々な職業の方の脳をMRIで調べた結果、
落語家さんが「聞く能力」(聴覚系脳番地)が発達していたとのこと。
「話す能力」じゃなく、「聞く能力」が発達していたとは意外ですね。
まさしく「話し上手の聞き上手」といったところでしょうか。

ある有名落語家さんの逸話。
落語の稽古とは、師匠が弟子の前で一通り噺を行い、「やってみろ!」というもの。
その有名落語家さん、師匠のどんな噺も一回聞いただけで、全部やって見せたと言います。
落語の構成、登場人物の心情、背景、なぜ、この話は面白いのか?
小一時間の噺の「肝」(本質)の部分をしっかりと聞き分ける能力に長けていたのでしょうね。
落語というのは、本人がその噺の面白さを理解しなければ、相手(お客)には当然、伝わらないものです。

ややこしいことに「聞く」に関連して「伝える」というのも、なかなか難しいものですよね。(いわゆるコミュニケーション)
コミュニケーションとは、想像力と表現力の二つから成り立っています。
想像力とは相手の話を聞いて、はじめて想像することができます。
想像することが表現を生み、その表現を相手が受け止め、そこにコミュニケーションが生まれます。
そう考えると、確かに「聞く能力」に長けている人が、「伝える能力」にも優れていることがわかります。

今回の突撃現場リポートは堀切沢北道路改良工事で行われている「現場打ち函渠工」の取材。
テーマは「聞く」、それを皆さんに「伝える」です。

  上北道路と第二みちのく道路が接続する為の立体交差を造っています。
 
 作業足場に囲まれた木製の型枠
※型枠というのは固化前のコンクリートを流し込む型のこと。
 資材はクレーンで運搬
 
迷路のようになっている作業足場。いざ突撃リポート!! 足場と型枠の隙間を清掃中。お疲れ様です!

 どんなところに気をつけてますか?
 やはり高所での作業ですので、安全対策ですね。
    特に落下防止対策については入念にチェックをしています。人の命を預かっていますから。
転落防止用のロープが張られています。 取材中も熱心に注意喚起を促していました。
   
 これは何ですか?(外側がザラザラ、内側がツルツルであった型枠を触ってみて)
 これは「化粧型枠」と呼びます。コンクリートに面する部分は極力、摩擦が生じないようにツルツルにしてあります。
    外側の面のようにザラザラだと、コンクリートに跡がついてしまうんです。
   
型枠も化粧をするとは・・・・ 多くの鉄筋が組み込まれた型枠の中にコンクリートを流し込みます。 

 なぜ、施工し終わったコンクリートにぬれたマットを敷いているんですか?
 固まりつつあるコンクリートが急激に乾燥すると、ひび割れてしまうのでそれを防ぐために敷いています。
    固まる最中のコンクリートって非常にデリケートなんです。乾燥の他、暑さ、寒さも厳禁で、赤ちゃんの肌と思って
    大切に面倒みます。
   
 コンクリートの乾燥を防ぐためのマット  湿度確保のため、水分も適度に与えているとのこと。
   
  地域住民の皆さんにはどのような配慮をしていますか?
  騒音対策ですね。防音シートを張って、最大限の努力をしています。
   
 厳重に張り巡らされた防音シート。
(遅くとも18時には作業を終えているとのこと)
 周辺地元住民への気配り、
ホントに頭が下がります。
   
 今までで一番の苦労は何ですか? 
  震災の影響で鉄筋等の資材がなかなか手に入らなかったことですね。
   
 工事で使用する大量の鉄筋(震災の爪跡がここにも影響)  お天道様の下で一人一人、頑張ることが復興への近道


さいごに
(株)三村興業社さんには、お忙しい中、私の突撃取材に真摯に対応していただきました。
今回、私が皆さんに伝えたいことは「我々の仕事は未来をつくっている」ということです。
未来というのは「形として残る未来」と「可能性ある未来」です。(現場見学会リポート参照)
たまたま、当事務所で以前発行した上北道路のパンフレットの表紙に「〜未来をつなぐみち〜」と書いてありました。
誰が考えたかは知りませんが、なかなかのキャッチコピーです。

映画「十三人の刺客」。
悪政に苦しむ民衆を救うため、ある特命を受けた島田新左衛門は、博打打ちの甥っ子に博打に例えてこう諭します。
「俺の博打はお前の博打より何倍も面白い」、勝ち目が万に一つと聞き、甥っ子は「それなら張らぬがよろしい」と進言します。
島田は張る価値はあるといいます。「その博打、勝ったらどうなります」と聞く甥っ子に、島田はこう答えます。

「いつか、誰かが感謝する。」

多分、私たちの仕事の根底にあるものはこういうことではないでしょうか?


今回のレポート、皆さんに上手く伝わったでしょうか?
上手く伝わったとしたら、それは三村興業社さんとのコミュニケーションが上手くいったということでしょう。

 「聞く」に関して
とある新聞記事から。落語家さんが少年院に慰問し、「話し方講座」を行った際の話。
「彼らは話しを聞くのも話すのも苦手なんです。話を聞いてもらった経験が乏しいから・・・」
「聞く」とは、「理解すること」と同時に「人を育てること」でもあるんですね。

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